理学療法士とは? 仕事内容、資格取得のメリットについて分かりやすく解説

理学療法士

理学療法士(PT)とは、ケガや病気で身体に障害のある人の「立つ・歩く」といった基本動作の回復を支える、リハビリの専門職です。この記事は、これからリハビリ職を目指す人に向けて書いています。仕事内容、作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)との違い、なり方、最新の国家試験合格率、年収まで、2026年7月時点の情報で解説します。

この記事でわかること

  • 理学療法士(PT)とは何か・仕事内容
  • 作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)との違い
  • 理学療法士になるには(養成校+国家試験)
  • 最新の国家試験合格率と平均年収
  • 理学療法士が活躍する場

理学療法士(PT)とは?

理学療法士(Physical Therapist、PT)とは、身体に障害のある人に対して基本的な動作能力の回復を図るリハビリを行う国家資格の専門職です。「理学療法士及び作業療法士法」にもとづきます。「起きる・立つ・歩く・座る」といった、生活の土台となる動作の回復・維持を支えます。

理学療法士が行うリハビリは、大きく次の2つに分かれます。

  • 運動療法:関節を動かす運動や筋力トレーニング、歩行練習などで、身体機能の回復を図る。
  • 物理療法:電気刺激・温熱・マッサージなど物理的な手段で、痛みの軽減や血行の改善をうながす。

理学療法士(PT)とOT・STの違い

リハビリ専門職には、理学療法士のほかに作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)があります。担当する領域がそれぞれ異なります。PTは基本動作、OTは応用動作・社会復帰、STは言語・嚥下が中心です。

職種 おもな役割
理学療法士(PT) 「立つ・歩く」など基本的動作能力の回復。運動療法・物理療法が中心。
作業療法士(OT) 食事・着替えなど応用的動作や、社会復帰・精神面のケア。手芸や工作などの作業も用いる。
言語聴覚士(ST) 「話す・聞く・食べる」など、言語・コミュニケーション障害や嚥下(えんげ)障害のリハビリ。

大まかに言えば、PTは「基本動作」、OTは「応用動作・社会復帰」、STは「言語・嚥下」を担当します。3職種が連携し、利用者の生活全体を支えていきます。

理学療法士になるには

理学療法士になるには、養成校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。養成校には、4年制大学、3年制の短期大学、3年制・4年制の専門学校などがあります。卒業して受験資格を得たうえで、年に1回の理学療法士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を取得します。

理学療法士国家試験の最新合格率

2026年2月に実施された第61回理学療法士国家試験の結果は、次のとおりです。

  • 受験者数:12,436人
  • 合格者数:11,156人
  • 合格率:89.7%(新卒者は94.9%)

前年の第60回(2025年2月)は合格率89.6%でした。近年はおおむね80%台後半で推移しています。新卒者の合格率は90%台半ばと高く、養成校でしっかり学べば十分に合格を目指せる試験です。

理学療法士の平均年収

理学療法士の推計年収は約444万円です。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、月収約31万円+年間賞与約71万円、平均年齢は約35歳、平均勤続年数は約8年でした。

ただし、この調査では理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士が1つの職種区分にまとめて集計されています。実際の収入は、勤務先(医療機関・介護施設など)や経験年数、役職によって幅があります。

理学療法士が活躍する場

理学療法士の活躍の場は、医療から介護、スポーツまで幅広く広がっています。おもな勤務先は次のとおりです。

  • 医療機関:病院(急性期・回復期リハビリ病棟など)や診療所。最も多くの理学療法士が働く。
  • 介護分野:介護老人保健施設、訪問リハビリ、通所リハビリ(デイケア)、通所介護(デイサービス)など。
  • その他:行政・地域包括支援センター、スポーツ分野、教育・研究機関、一般企業のヘルスケア事業など。

高齢化が進むなか、医療だけでなく介護や予防の分野でも理学療法士のニーズは高まっています。日本理学療法士協会の会員数は約14万人(2026年3月末)に達し、活躍のフィールドは今後も広がる見通しです。

理学療法士を目指す前に知っておきたいキャリアの現実

理学療法士は安定した専門職ですが、目指す前に取得後の現実も知っておくと、進路選びで後悔しにくくなります。年収やキャリアの広がり方を、入学前にイメージしておきましょう。

養成校の費用と回収のイメージ

養成校は3~4年の学費がかかります。国家試験合格率は高いものの、卒業まで学び続ける負担は小さくありません。年収約444万円を踏まえ、学費と就職後の収入のバランスを長い目で考えておくと安心です。教育訓練給付の対象となる課程もあるため、費用面は事前に調べておきましょう。

働く場で変わる経験とキャリア

同じ理学療法士でも、勤務先で身につく経験が変わります。進路選びの参考に整理します。

勤務先 身につきやすい経験
急性期病院 発症直後のリハビリ、医療チームでの連携
回復期リハビリ病棟 集中的な機能回復、退院支援
介護施設・訪問リハビリ 生活に即した支援、在宅復帰の伴走
地域・予防分野 介護予防、住民への運動指導

OT・STとの選び方

「立つ・歩く」を支えたいならPT、「食事・着替えなど生活動作や精神面」に関心があればOT、「話す・食べる」を支えたいならSTが向いています。迷うときは、興味のある利用者像や働きたい現場をイメージして選ぶと、入学後のミスマッチを防げます。高齢化を背景に、介護・予防分野でのPTのニーズは今後も広がる見通しです。

よくある質問(FAQ)

Q. 理学療法士になるには何年かかりますか?

A. 養成校(4年制大学、3年制の短大・専門学校など)で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。最短で3年です。

Q. 理学療法士の国家試験は難しいですか?

A. 第61回(2026年2月)の合格率は89.7%、新卒者は94.9%でした。養成校でしっかり学べば十分合格を目指せる試験です。

Q. 理学療法士と作業療法士はどちらがよいですか?

A. PTは「立つ・歩く」など基本動作、OTは応用動作や社会復帰・精神面のケアが中心です。興味のある領域や働きたい現場に合わせて選ぶとよいでしょう。

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まとめ

理学療法士(PT)とは、身体に障害のある人の基本的な動作能力の回復を、運動療法や物理療法で支えるリハビリの専門職です。作業療法士・言語聴覚士とは担当領域が異なり、3職種が連携して利用者を支えます。養成校で3年以上学び国家試験に合格すればなることができ、近年の合格率は80%台後半と安定しています。医療から介護、スポーツまで活躍の場は広く、高齢化を背景にニーズも高まり続けています。

「理学療法士として働きたい」「リハビリの経験を活かせる職場を探したい」という方は、お気軽にご相談ください。

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参考(一次情報)

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※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。国家試験・統計などの最新情報は公式情報をご確認ください。