柔道整復師とは? 仕事内容・資格の取り方について分かりやすく解説

柔道整復師とは、骨折・脱臼・打撲・捻挫などのケガを、手術や薬を使わずに施術する国家資格の専門職です。近年は介護分野でも活躍の場が広がっています。この記事は、柔道整復師を目指す人に向けて書いています。仕事内容、なり方、最新の国家試験合格率、年収、介護分野での働き方まで、2026年7月時点の情報で解説します。

この記事でわかること

  • 柔道整復師とは何か・仕事内容
  • 柔道整復師が働く場所
  • 柔道整復師になるには(養成校+国家試験)
  • 最新の国家試験合格率と年収の目安
  • 介護分野での活躍(機能訓練指導員)

柔道整復師とは?

柔道整復師とは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉ばなれ)などのケガに施術する国家資格の専門職です。厚生労働大臣の免許を受けて施術します。日本古来の武道(柔術)の技に西洋医学を取り入れて発展した、日本独自の療法を担います。

大きな特徴は、手術や薬に頼らない「非観血的療法」を行う点です。非観血的療法とは、メスを使わず手技で身体本来の自然治癒力を引き出す方法をいいます。施術は、おもに次の3つで構成されます。

  • 整復法:ずれた骨や関節を、もとの正しい位置に戻す。
  • 固定法:副子(そえぎ)や包帯などで患部を固定し、回復を図る。
  • 後療法:手技療法・物理療法・運動療法で、機能の回復を早める。

なお、骨折・脱臼の応急手当は柔道整復師の判断でできます。ただし、その後も引き続き施術する場合は医師の同意が必要です。レントゲン撮影や投薬、外科手術は行えません。

柔道整復師が働く場所

柔道整復師の活躍の場は、整骨院にとどまらず広がっています。おもな勤務先は次の4つです。

  • 整骨院・接骨院:最も代表的な勤務先。独立開業も可能。
  • 整形外科などの医療機関:医師のもとでリハビリや施術を担当。
  • スポーツ分野:スポーツトレーナーとして、ケガの応急手当や予防指導を行う。
  • 介護・福祉分野:機能訓練指導員として、高齢者の身体機能の維持・向上を支える。

柔道整復師になるには

柔道整復師になるには、養成施設で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。養成施設は、文部科学大臣や都道府県知事が指定する大学・専門学校などです。ここで必要な知識と技能を学びます。試験は、指定試験機関である公益財団法人柔道整復研修試験財団が実施します。

柔道整復師国家試験の最新合格率

2026年3月1日に実施された第34回柔道整復師国家試験の結果は、次のとおりです。

  • 受験者数:4,434人
  • 合格者数:3,170人
  • 合格率:71.5%

合格率は年によって変動します。直近では、第32回(2024年)が66.4%、第33回(2025年)が57.8%(新卒者75.9%・既卒者14.2%)、第34回(2026年)が71.5%でした。新卒者は既卒者より合格率が高い傾向が続いており、在学中にしっかり対策することが合格への近道です。なお、次回の第35回は2027年3月頃に実施される見込みです。

柔道整復師の年収の目安

柔道整復師の平均年収は約430万円~459万円とされています(厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」等・集計年により幅があります)。近い国家資格である理学療法士の平均年収はおよそ443万円~444万円で、水準は大きく変わりません。

収入は勤務か独立開業かによって大きく変わるのが特徴です。勤務する場合は月給23万円前後からが目安です。独立開業して経営が軌道に乗れば、それ以上の収入も期待できます。一方で開業には経営の手腕も求められます。安定して稼げるかは人それぞれです。まずは勤務で経験を積み、将来的に独立を目指す人も多くいます。

介護分野での活躍(機能訓練指導員)

柔道整復師は、介護分野でも需要が高まっています。デイサービス(通所介護)などに配置が必要な機能訓練指導員(高齢者の身体機能の維持・向上を支える運動指導の担当者)になれる資格の一つだからです。

機能訓練指導員には、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・あん摩マッサージ指圧師などがなれます。柔道整復師も、その一つです。仕事は、高齢者一人ひとりの状態に合わせた機能訓練(リハビリ的な運動)を計画・実施し、身体機能の維持・向上を支えることです。身体の構造や運動に関する専門知識を活かせるため、柔道整復師の活躍フィールドとして広がっています。

他の身体系国家資格との違い・進路選択で後悔しないための注意点

柔道整復師を目指す前に押さえたいのは、資格を取れば安定して稼げるとは限らない点です。働き方によって収入も仕事内容も大きく変わるためです。とくに混同されやすいのが、あん摩マッサージ指圧師との違いです。

  • 施術の目的が違う:柔道整復師は骨折・脱臼・打撲・捻挫など「ケガの治療」が中心。あん摩マッサージ指圧師は、腰痛や肩こりなど「疲労・コリの緩和」が中心。
  • 医師の指示の要否が違う:あん摩マッサージ指圧師は医師の指示がなくても施術できるが、柔道整復師が独自にマッサージを行う場合は医師の指示が必要。
  • 保険適用の範囲が違う:柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷に健康保険を適用。あん摩マッサージ指圧師は腰痛・肩こり・神経痛などに適用される。

理学療法士との違いは、柔道整復師が独立開業できる点です。理学療法士は病院・施設に勤務する働き方が中心ですが、柔道整復師は整骨院を自分で開業できます。開業を視野に入れるかどうかで、目指す資格の優先順位が変わってきます。

進路を決める前に、整骨院・整形外科・スポーツ・介護のどこで働くかを早めにイメージしておくと、養成校選びや学び方のミスを防げます。とくに次の点に注意しましょう。

  • 国家試験は既卒者の合格率が下がる傾向があるため、在学中の対策が重要
  • 独立開業は収入の上限が高い反面、経営の手腕が必要でリスクもある
  • 整骨院の保険施術には算定ルールがあり、勤務先の運用を理解しておく

介護分野で機能訓練指導員として働く現実

介護分野は、柔道整復師の活躍フィールドとして広がっています。デイサービスなどで機能訓練指導員として、高齢者一人ひとりの状態に合わせた運動を計画・実施する仕事です。身体の構造や運動の知識を直接活かせます。

ケガの施術が中心の整骨院とは異なり、介護では「機能の維持・向上」と利用者・ご家族への分かりやすい説明が求められます。求人を比べる際は、機能訓練計画の作成にどこまで関わるか、運動指導の進め方を確認しておくと、入職後のギャップを減らせます。介護分野の制度の最新情報は、厚生労働省 介護・高齢者福祉もあわせて確認するとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 柔道整復師と整体師は違いますか?

A. 違います。柔道整復師は国家資格で、骨折・脱臼・打撲・捻挫などの施術ができます。一方、整体師には国家資格がなく、業務範囲も異なります。

Q. 柔道整復師の国家試験は難しいですか?

A. 第34回(2026年3月)の合格率は71.5%でした。前年の第33回(2025年)は57.8%と、年によって変動があるため、しっかりとした試験対策が必要です。

Q. 柔道整復師は介護の仕事もできますか?

A. はい。柔道整復師はデイサービスなどの機能訓練指導員になれる資格の一つで、高齢者の身体機能の維持・向上を支える仕事に携われます。

あわせて読みたい

まとめ

柔道整復師とは、骨折・脱臼・打撲・捻挫などのケガを、手術や薬を使わず手技で施術する国家資格の専門職です。整骨院や整形外科、スポーツ分野に加え、近年は機能訓練指導員として介護分野でも活躍しています。なるには養成校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。年収は勤務か開業かで幅があります。身体の専門家として、医療から介護まで幅広く活かせる資格です。

「柔道整復師の資格を活かして働きたい」「介護分野で機能訓練指導員として活躍したい」という方は、お気軽にご相談ください。

e介護転職で求人を探すLINEで相談する

参考(一次情報)

関連記事

※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。国家試験・統計などの最新情報は公式情報をご確認ください。