リハビリ・医療系専門職の種類まとめ|PT・OT・STほか国家資格と役割・なり方早見表【2026年6月更新】

リハビリ系の専門職は、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)の3つが中心です。このほかに視能訓練士や義肢装具士、看護師・管理栄養士などの医療職もリハビリや療養を支えます。本記事では各職種の「国家資格か」「役割」「なり方」「働く場」を早見表で整理し、自分に合う職種の選び方までまとめました。

読者は2タイプを想定しています。1つは、リハビリや医療系の資格を比較検討する求職者の方。もう1つは、介護現場で機能訓練指導員の配置を理解したい管理職の方です。どちらも結論からつかめるよう構成しました。

リハビリ・医療系専門職の早見表

まず全体像をつかみましょう。下の表は本記事で扱う職種を「国家資格か」「主な役割」「主な働く場」で並べたものです。気になる職種はこの後のH2で個別に解説します。

職種 国家資格 主な役割 主な働く場
理学療法士(PT) 国家資格 立つ・歩くなど基本動作の回復 病院/介護施設/訪問
作業療法士(OT) 国家資格 食事・着替えなど応用動作と心のケア 病院/介護施設/精神科
言語聴覚士(ST) 国家資格 話す・聞く・飲み込みのリハビリ 病院/介護施設/訪問
視能訓練士 国家資格 目の検査と視機能の訓練 眼科/病院
義肢装具士 国家資格 義手・義足・装具の製作と適合 製作所/病院
機能訓練指導員 ※資格名ではなく役割 介護施設での機能訓練 介護施設/通所
柔道整復師 国家資格 骨折・脱臼・打撲などの施術 接骨院/整骨院/介護施設
あん摩マッサージ指圧師 国家資格 手技による症状の緩和 治療院/病院/介護施設
看護師 国家資格 診療の補助と療養上の世話 病院/介護施設/訪問
保健師 国家資格 保健指導と健康づくりの支援 自治体/企業/病院
管理栄養士 国家資格 栄養管理と栄養指導 病院/介護施設/自治体

ポイントは2つです。1つ目は、機能訓練指導員だけは資格名ではなく介護施設での「役割(配置区分)」であること。2つ目は、PT・OT・STが回復期から生活期まで幅広く関わる中心職種であることです。

理学療法士(PT)の役割となり方

理学療法士(PT)は、立つ・歩く・起き上がるといった基本動作の回復を支える国家資格です。運動療法や物理療法を使い、病気やケガで落ちた身体機能の改善を担当します。

なり方は、大学・短大・専門学校など指定の養成校で3年以上学び、国家試験に合格するルートです。働く場は病院のリハビリ科が中心ですが、介護施設や訪問リハビリでも需要があります。理学療法士の詳しい仕事内容や年収は、別記事でも掘り下げています。

作業療法士(OT)の役割となり方

作業療法士(OT)は、食事・着替え・料理など「日常の作業」を通じてリハビリを行う国家資格です。応用動作の練習に加え、精神面のケアも担うのが特徴で、身体障害だけでなく精神科領域でも活躍します。

なり方はPTと同じく、指定の養成校で3年以上学んで国家試験に合格します。理学療法士が「動く土台」を作るのに対し、作業療法士は「生活する力」を整える役割と覚えると違いがわかりやすいです。

言語聴覚士(ST)の役割となり方

言語聴覚士(ST)は、話す・聞く・飲み込むの障害を支える国家資格です。失語症や構音障害のリハビリのほか、嚥下(えんげ=飲み込み)の訓練も担当し、誤嚥(ごえん)性肺炎の予防にも関わります。

なり方は、指定の養成校で3年以上(大卒者向けの2年制ルートもあり)学び、国家試験に合格します。PT・OTに比べると人数が少なく、嚥下対応のニーズが高い介護施設では貴重な存在です。

視能訓練士の役割となり方

視能訓練士は、目の検査と視機能の訓練を行う国家資格です。視力・視野などの検査に加え、子どもの斜視・弱視の矯正訓練や、見えにくい高齢者への補助具の指導を担当します。

なり方は、全国に約30校ある養成校で学び、国家試験に合格するルートが一般的です。働く場は眼科や病院が中心で、リハビリ職の中ではやや専門特化した位置づけです。

義肢装具士の役割となり方

義肢装具士は、義手・義足や装具を製作し、体に合わせる国家資格です。医師の指示のもとで採型・製作・適合を行い、ものづくりと医療の両方の知識が求められます。

なり方は、指定の養成校を卒業して国家試験に合格します。働く場は義肢装具の製作所や病院が中心です。リハビリの「道具」を支える専門職として、PT・OTと連携して動きます。

機能訓練指導員とは(資格要件に注意)

機能訓練指導員は、資格の名前ではなく「介護施設での役割(配置区分)」です。介護施設で機能訓練を行う担当者を指し、特定の国家資格を持つ人が配置されます。介護現場の管理職が押さえるべき要点はここです。

厚生労働省の基準では、機能訓練指導員になれるのは次の資格を持つ人です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員(看護師・准看護師)・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の6区分が基本になります。

機能訓練指導員になれる資格 追加の条件
理学療法士(PT) なし
作業療法士(OT) なし
言語聴覚士(ST) なし
看護職員(看護師・准看護師) なし
柔道整復師 なし
あん摩マッサージ指圧師 なし
はり師・きゅう師 他の機能訓練指導員がいる施設で6か月以上の実務経験

注意したいのが、はり師・きゅう師の扱いです。平成30年度(2018年度)の介護報酬改定で対象に加わりましたが、他の機能訓練指導員がいる施設で6か月以上の実務経験が必要です。この要件を見落とすと配置基準を満たせず、加算の算定でつまずく恐れがあります。

管理職として確認すべき実務アクションは3つです。配置予定者の保有資格が6区分に当てはまるか/はり師・きゅう師なら6か月の経験要件を満たすか/前職の管理者による書面など経験を証する記録があるか。採用前にこの3点をチェックしましょう。

柔道整復師の役割となり方

柔道整復師は、骨折・脱臼・打撲・ねんざなどに手技で対応する国家資格です。手術や薬を使わず、整復や固定で回復を促すのが特徴です。

なり方は、指定の養成校で3年以上学び、国家試験に合格します。働く場は接骨院・整骨院が中心ですが、介護施設では機能訓練指導員として配置されることもあります。

あん摩マッサージ指圧師の役割となり方

あん摩マッサージ指圧師は、手技で体をほぐし、症状の緩和を図る国家資格です。柔道整復師が「回復」を目的とするのに対し、こちらは「緩和」を主目的とする点が違います。

なり方は、指定の養成校で3年以上学び、国家試験に合格します。治療院や病院のほか、介護施設で機能訓練を担うこともあります。混同されやすい鍼灸(しんきゅう=はり師・きゅう師)とは別の資格です。

看護師・保健師の役割となり方

看護師は、診療の補助と療養上の世話を担う国家資格です。介護施設では健康管理や医療的ケア、機能訓練指導員としての配置まで幅広く関わります。

なり方は、大学・専門学校・養成所で3年以上(大学は4年)学び、国家試験に合格します。保健師は、看護師資格を前提に1年以上の保健師教育を受け、保健師国家試験に合格するルートです。保健師は自治体や企業で保健指導や健康づくりを担当します。看護師・保健師の詳しいキャリアは別記事でも解説しています。

管理栄養士の役割となり方

管理栄養士は、栄養管理と栄養指導を担う国家資格です。介護施設では食事の栄養設計や、低栄養・嚥下に配慮した献立づくりを担当し、リハビリの効果を栄養面から支えます。

なり方は2ルートあります。4年制の管理栄養士養成施設を卒業して受験するルートと、栄養士の資格を取った後に一定年数の実務経験を積んで受験するルートです。栄養士は都道府県知事の免許、管理栄養士は国家資格という違いも押さえておきましょう。

介護施設で働くリハビリ・医療職

介護施設で機能訓練を担えるのは、前述のとおり6区分(PT・OT・ST・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師)と、条件付きのはり師・きゅう師です。求職者は「介護施設で機能訓練指導員として働きたいか」を1つの判断軸にできます。

施設側のメリットも整理しておきます。PT・OT・STは個別機能訓練加算などの算定で中心的な役割を果たし、看護師は医療的ケアと機能訓練の両方を担えます。柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師は手技に強く、生活機能の維持に貢献します。施設の利用者像に合わせて、どの職種を配置するかを考えると失敗が減ります。

自分に合う職種の選び方

結論として、選ぶ軸は「何を支えたいか」と「働く場」の2つです。下のチェックで自分の方向性を確かめましょう。

  • 歩く・動く土台を支えたい → 理学療法士(PT)
  • 生活する力や心を支えたい → 作業療法士(OT)
  • 話す・飲み込みを支えたい → 言語聴覚士(ST)
  • 目の機能に特化したい → 視能訓練士
  • 義肢・装具のものづくりに関わりたい → 義肢装具士
  • 手技で体に関わりたい → 柔道整復師/あん摩マッサージ指圧師
  • 医療と療養を幅広く担いたい → 看護師(地域・予防なら保健師)
  • 栄養から回復を支えたい → 管理栄養士

あわせて確認したいのが養成期間と働く場です。多くの国家資格は養成校で3年以上学ぶ必要があり、進学の負担も判断材料になります。介護施設で働きたい場合は、機能訓練指導員になれる資格かどうかも合わせて確認しましょう。給与水準が気になる方は、介護職の給料を解説した記事も参考になります。

まとめ

リハビリ・医療系の専門職は、PT・OT・STを中心に、視能訓練士・義肢装具士などの専門職と、看護師・保健師・管理栄養士などの医療職で構成されます。いずれも養成校で学んで国家試験に合格する国家資格です。

介護現場の管理職は、機能訓練指導員になれる6区分とはり師・きゅう師の6か月要件を押さえると、配置や加算の判断でつまずきません。求職者は「何を支えたいか」と「働く場」を軸に、養成期間まで含めて検討すると選びやすくなります。

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