社会福祉士になるには?受験資格12ルートと合格率【2026年最新・完全ガイド】

社会福祉士になるには、受験資格を満たして年1回の国家試験に合格し、登録する必要があります。直近の第38回試験(2026年2月実施)の合格率は60.7%でした。

受験資格は、学歴と実務経験の組み合わせで12ルートに分かれます。この記事では、自分がどのルートに当たるかを早見表とチェックリストで判定できるようにしました。

高卒・社会人から働きながら目指す方法、一般養成施設の選び方、試験科目と勉強の始め方まで解説します。資格の仕事内容や職場、給料など全体像を知りたい方は、親記事の社会福祉士とはから読むのがおすすめです。

社会福祉士になるには|取得までの3ステップ

結論から言うと、社会福祉士になるためのステップは次の3つです。

  1. 学歴・実務経験に応じたルートで「受験資格」を得る
  2. 年1回(例年2月上旬)の国家試験に合格する
  3. 試験センターに登録し、社会福祉士を名乗れるようになる

社会福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」(昭和62年法律第30号)に定められた国家資格です。身体や精神の障害、環境上の理由で日常生活に支障がある人の相談に応じ、助言や関係機関との連絡・調整を行う専門職(ソーシャルワーカー)と定義されています。

資格がないと働けない「業務独占」ではなく、資格者だけが名乗れる「名称独占」資格です。同法では誠実義務や秘密保持義務、信用失墜行為の禁止なども定められています。

試験は同法に基づき、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施します。第38回の受験手数料は19,370円(社会福祉士のみ受験)でした。申込受付は例年9月上旬~10月初旬、試験は2月上旬、合格発表は3月上旬です。

社会福祉士の受験資格|12ルート早見表

受験資格は「最終学歴」と「相談援助の実務経験」の組み合わせで決まり、全部で12ルートあります。最短は、福祉系大学(4年制)で指定科目を履修して卒業するルートです。

まずは早見表で、自分がどれに当たるかを確認してください。

ルート 学歴など 必要な実務経験 必要な養成施設
1 福祉系大学等(4年)で指定科目履修 不要 不要(そのまま受験可)
2 福祉系短大等(3年)で指定科目履修 相談援助1年 不要
3 福祉系短大等(2年)で指定科目履修 相談援助2年 不要
4 福祉系大学等(4年)で基礎科目履修 不要 短期養成施設(6か月以上)
5 福祉系短大等(3年)で基礎科目履修 相談援助1年 短期養成施設(6か月以上)
6 福祉系短大等(2年)で基礎科目履修 相談援助2年 短期養成施設(6か月以上)
7 社会福祉主事養成機関を修了 相談援助2年 短期養成施設(6か月以上)
8 児童福祉司・査察指導員など5職種 実務4年 短期養成施設(6か月以上)
9 一般大学等(4年)を卒業 不要 一般養成施設(1年以上)
10 一般短大等(3年)を卒業 相談援助1年 一般養成施設(1年以上)
11 一般短大等(2年)を卒業 相談援助2年 一般養成施設(1年以上)
12 学歴を問わない(高卒など) 相談援助4年 一般養成施設(1年以上)

ルートの詳細と対象施設・職種の一覧は、試験センターの資格取得ルート図で確認できます。実務経験として認められるのは「相談援助」が主たる業務の場合です。

対象になる仕事の例は、生活相談員、児童指導員、地域包括支援センター職員、障害者支援施設の生活支援員、医療ソーシャルワーカーなどです。介護職としての勤務年数は、原則として相談援助の実務経験には数えられない点に注意してください。

高卒から社会福祉士になるには

高卒の場合、現実的な選択肢は2つです。

  • 実務経験ルート(ルート12):相談援助の実務を4年積み、一般養成施設(1年以上)を修了して受験する
  • 進学ルート(ルート1):通信制を含む福祉系大学に進学し、指定科目を履修して受験する

働きながらなら、まず生活相談員や児童指導員など「相談援助に当たる職種」に就くことが第一歩です。求人選びの段階で、受験資格の対象になる職種かを確認しておくと遠回りを防げます。

社会人・働きながら目指す場合

社会人は「最終学歴」で入口が変わります。一般大学卒なら実務経験なしで一般養成施設に入学できます(ルート9)。

一般養成施設の多くは通信制で、働きながら1年半程度で修了する人が多数派です。福祉系大学で基礎科目を履修していた人は、より短い短期養成施設(6か月以上)で済みます。

後述の実習免除を使えば、仕事を休まず修了できる可能性が高まります。まずは自分のルートを特定し、対応する養成施設の資料請求から始めてください。

30秒でルート判定チェック

  • 福祉系大学で指定科目を履修した→そのまま受験可(ルート1)
  • 福祉系大学で基礎科目のみ履修した→短期養成施設へ(ルート4)
  • 一般の4年制大学を卒業した→一般養成施設へ(ルート9)
  • 短大卒→卒業年限に応じて実務1~2年+養成施設(ルート2・3・5・6・10・11)
  • 高卒・専門卒(福祉系以外)→相談援助実務4年+一般養成施設(ルート12)

一般養成施設・短期養成施設とは

養成施設とは、受験資格を得るために国が指定した教育機関のことです。大学の通信教育部や専門学校が運営しており、通信課程が中心です。

一般養成施設とは

一般養成施設は、福祉系以外の学歴の人が受験資格を得るための課程で、修業期間は1年以上です。一般大学卒ならすぐに、短大卒・高卒なら所定の実務経験を経て入学できます。

通信制が多く、自宅学習+数日間のスクーリング(面接授業)+実習で構成されます。仕事と両立しやすい一方、修了率は自己管理に左右されます。学費や実習日程、国家試験対策の手厚さで比較して選んでください。

短期養成施設とは

短期養成施設は、福祉系大学で基礎科目を履修した人や社会福祉主事養成機関の修了者などが対象で、修業期間は6か月以上です。学ぶ内容が一般養成施設より少ないため、期間も費用も抑えられます。

実習免除の条件

相談援助の実務経験が1年以上ある人は、養成施設や大学でのソーシャルワーク実習(240時間)が免除されます。実習免除なら長期間職場を離れる必要がなく、働きながらの取得が現実的になります。

免除に該当するかは、勤務先の施設種別と職種で判定されます。入学前に養成施設へ実務経験証明書の要件を確認しておきましょう。

社会福祉士国家試験の合格率|直近は60.7%

直近の第38回試験(2026年2月1日実施)は、受験者25,430人に対し合格者15,438人、合格率60.7%でした。出典は厚生労働省の第38回合格発表です。

近年の推移は次の通りです。かつて30%前後だった合格率は、この数年で大きく上がっています。

回(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第33回(2021年) 35,287人 10,333人 29.3%
第34回(2022年) 34,563人 10,742人 31.1%
第35回(2023年) 36,974人 16,338人 44.2%
第36回(2024年) 34,539人 20,050人 58.1%
第37回(2025年) 27,616人 15,561人 56.3%
第38回(2026年) 25,430人 15,438人 60.7%

合格率が低いと言われてきた理由

社会福祉士は長らく「合格率30%前後の難関」と言われてきました。理由は主に3つです。

  • 出題範囲が広い:19科目にわたり、法制度から医学・心理まで問われる
  • 0点の科目群があると不合格:総得点が高くても、得点のない科目群が1つでもあれば落ちる
  • 受験者の多くが社会人:働きながらの学習で、勉強時間の確保が難しい

近年の上昇は、カリキュラム改正で問題数が150問から129問に減ったことや、出題傾向の変化が影響したとみられます。ただし6割前後は落ちない試験になったとはいえ、無対策で受かる試験ではありません。

難易度・偏差値の目安

資格試験に公式の「偏差値」はありません。予備校などが便宜的に難易度を数値化することはありますが、参考程度に見てください。

実際の難しさは「広い範囲を、仕事と両立しながら計画的に学べるか」に尽きます。合格者の体験談では、学習時間の目安として300時間前後がよく挙げられます。1日1時間なら約10か月、1日2時間なら約5か月の計算です。

試験科目と試験時間|2025年からの新カリキュラム

2025年2月の第37回試験から、新カリキュラムに基づく新しい科目体系で出題されています。科目は共通12科目+専門7科目の計19科目、出題数は129問です。

試験科目(19科目)

午前は精神保健福祉士と共通の12科目、午後は社会福祉士の専門7科目です。

区分 科目
共通科目(12科目・84問) 医学概論/心理学と心理的支援/社会学と社会システム/社会福祉の原理と政策/社会保障/権利擁護を支える法制度/地域福祉と包括的支援体制/障害者福祉/刑事司法と福祉/ソーシャルワークの基盤と専門職/ソーシャルワークの理論と方法/社会福祉調査の基礎
専門科目(7科目・45問) 高齢者福祉/児童・家庭福祉/貧困に対する支援/保健医療と福祉/ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)/ソーシャルワークの理論と方法(専門)/福祉サービスの組織と経営

共通科目が同じである精神保健福祉士とは、同時受験が可能です。どちらかをすでに持っている場合は、申請により共通科目が免除されます。

試験時間・出題数・合格基準

第38回の試験時間は、午前(共通科目84問)が10時00分~12時20分、午後(専門科目45問)が14時10分~15時35分でした。五肢択一を基本とする多肢選択式のマークシートです。

合格基準は次の2つを同時に満たすことです。試験の概要は試験センターの試験概要ページで確認できます。

  • 総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数以上を取ること
  • 6つの科目群すべてで得点があること(0点の科目群を作らない)

新カリキュラムで変わった点

2021年度から養成カリキュラムが改正され、国家試験は第37回(2025年2月)から新体系に切り替わりました。主な変更点は次の通りです。

  • 出題数が150問から129問に減り、試験科目が19科目に再編された
  • 「地域福祉と包括的支援体制」「刑事司法と福祉」など、地域共生社会を意識した科目構成になった
  • 合否判定が6つの科目群ごとの評価に変わった
  • 養成課程のソーシャルワーク実習が240時間に拡充され、原則2か所以上の施設で行う形になった

古い過去問やテキストは科目構成が異なります。教材は必ず新カリキュラム対応版を選んでください。

独学でも合格できる?勉強の始め方

試験対策そのものは独学で十分可能です。ただし、受験資格は独学では得られません。養成施設の修了や大学での科目履修が必ず必要です。

「独学で取れるか」という疑問は、この2つを分けて考えると整理できます。

  • 受験資格:独学不可。12ルートのいずれかを満たす必要がある
  • 試験対策:独学可。市販テキスト+過去問で合格者多数

勉強の始め方は次の順番が定石です。

  1. 新カリキュラム対応の基本テキストを1冊決めて通読する
  2. 過去問(第37回以降の新体系分+一問一答)を繰り返す
  3. 直前期に模試で「0点科目群がないか」を点検する

働きながらの場合、通勤時間などのスキマ学習で共通科目の暗記を回し、休日に専門科目と事例問題をまとめて解くスタイルが続けやすいです。

資格取得後のキャリア|次の一手まで

合格・登録後は、地域包括支援センター、病院(医療ソーシャルワーカー)、社会福祉協議会、行政、障害福祉分野など活躍の場が広がります。障害分野では、経験を積んで相談支援専門員へ進む道もあります。

なお、名前が似ている介護福祉士は介護実務の国家資格、ケアマネジャーは公的資格で、受験資格の仕組みはそれぞれ別です。本記事の12ルートは社会福祉士だけのものなので、混同しないよう注意してください。

次の一手は具体的に3つです。今日から動けます。

  1. 早見表で自分のルートを特定する
  2. 養成施設・通信制大学の資料を2~3校分請求して比較する
  3. 実務経験が必要な人は、相談援助に該当する職場への転職を検討する

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まとめ|まずは自分のルートの確認から

社会福祉士になるには、12ルートのいずれかで受験資格を得て、合格率60.7%(第38回)の国家試験を突破する必要があります。大卒なら一般養成施設、高卒なら実務4年+一般養成施設が基本線です。

実務経験1年以上なら実習免除が使え、働きながらの取得も現実的です。まずは早見表で自分のルートを確かめ、養成施設の資料請求から始めてください。

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