移動支援の請求|地域生活支援事業・市町村への請求

※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいています。移動支援の対象・支給量・単価・請求様式・提出期限は市町村ごとに定められており、内容が変更される場合もあるため、必ず事業所所在地の市町村(担当窓口)にご確認ください。

移動支援の請求を担当していて、「居宅介護や重度訪問介護と同じ感覚で請求書類を用意したら、様式が違って突き返された」「隣の市町村の事業所に聞いたら、うちと単価も提出期限も違っていた」と戸惑った経験はないでしょうか。移動支援は、居宅介護・重度訪問介護・グループホームなど他の障害福祉サービスとは請求の仕組みそのものが異なります。他サービスは国保連(国民健康保険団体連合会)を経由する全国共通のルールで請求しますが、移動支援は市町村の地域生活支援事業として実施されており、原則として市町村へ直接請求する仕組みです。そのため単価・支給量・様式・提出期限も市町村ごとに個別に定められており、全国一律ではありません。本記事では、なぜ移動支援だけ請求の仕組みが違うのかという制度的な背景から、複数の自治体の請求フローに共通する一般的な型、居宅介護・重度訪問介護との対象者・支援内容の違い、請求実務でよくある落とし穴までを、厚生労働省の一次情報にもとづいて整理します。

移動支援は「地域生活支援事業」|他の障害福祉サービスと請求の仕組みが違う理由

結論から言うと、移動支援は障害者総合支援法にもとづく「自立支援給付(個別給付)」ではなく、市町村が実施主体となる「地域生活支援事業」の中の市町村必須事業のひとつです。居宅介護・重度訪問介護・グループホーム(共同生活援助)などは自立支援給付にあたり、全国共通の基準にもとづいて国保連へ請求しますが、移動支援はこの枠組みに含まれません。この違いが、請求実務のあらゆる場面に影響します。

自立支援給付と地域生活支援事業の違い(厚生労働省の整理)

自立支援給付(義務的経費):居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・グループホームなど。国が定めた基準・報酬にもとづき、全国共通のルールで国保連を通じて請求する。国庫負担の割合や基準もあらかじめ決まっている。

地域生活支援事業(裁量的経費):移動支援事業・日常生活用具給付等事業・相談支援事業・地域活動支援センター機能強化事業などの市町村必須事業。厚生労働省の実施要綱にもとづきつつ、地域の特性や利用者の状況に応じて市町村が柔軟に実施内容を決めることが制度の前提になっている。

厚生労働省の「地域生活支援事業実施要綱」(移動支援事業実施要領)は、移動支援事業の目的を「屋外での移動が困難な障害者等について、外出のための支援を行うことにより、地域における自立生活及び社会参加を促すこと」と定めたうえで、実施方法について「実施主体の判断により地域の特性や個々の利用者の状況やニーズに応じた柔軟な形態で実施すること」としています。つまり、対象者の認定基準、支給量、利用者負担、請求様式、提出期限といった実務の詳細を、国が一律に決めるのではなく市町村が個別に定める設計になっているのです。この記事で単価や様式の具体的な数字を示さず「市町村へ確認してください」と繰り返すのは、このためです。

なぜ市町村ごとに違うのか|国庫補助の仕組みから見る制度的背景

移動支援が市町村ごとに異なる背景には、地域生活支援事業の財源が「統合補助金」という形をとっていることがあります。厚生労働省の資料によれば、市町村地域生活支援事業の国庫補助率は100分の50以内(負担割合の目安は国50%・都道府県25%・市町村25%)であり、国はあらかじめ決まった個別のサービス単価を保障するのではなく、市町村が支出した事業費の総額に対して補助する仕組みになっています。

自立支援給付と地域生活支援事業の財源のちがい

自立支援給付は、国が定めた報酬単価・算定基準にもとづき、義務的経費として国・都道府県・市町村が決まった割合で費用を負担します。どの地域で受けても、同じサービスであれば基本的に同じ単価・同じ請求ルールが適用されます。

一方、移動支援を含む地域生活支援事業は裁量的経費で、市町村が地域の実情に応じて実施内容・単価・支給量を決め、その費用の一部(100分の50以内)を国・都道府県が補助する仕組みです。「国が単価や様式まで一律に決めていない」ことが、自治体ごとに請求の中身が異なる根本的な理由です。

この違いを理解していないと、「なぜ移動支援だけ国保連に伝送できないのか」「なぜ隣の市の単価表がうちの市では使えないのか」といった疑問が繰り返し生まれてしまいます。移動支援の請求担当者にとって、まず押さえるべきは制度の名称や単価そのものよりも、「移動支援は市町村ごとに設計が異なることが制度の前提である」という理解だと言えます。

請求先はどこか|原則は市町村、まれに国保連への事務委託もある

移動支援の請求は、原則として事業所所在地(またはサービス提供地)の市町村へ直接提出します。居宅介護・重度訪問介護のように、国保連の伝送システムを使って毎月まとめて請求する仕組みとは異なり、市町村の窓口へ持参・郵送する、あるいは自治体が用意する電子申請システムやオンラインシステムにアップロードするなど、提出方法も自治体によってさまざまです。

なお、地域生活支援事業の実施要綱では、実施主体は「市町村、特別区、一部事務組合及び広域連合」とされ、都道府県が地域の実情を勘案して事業の一部を代行できる規定もあります。実務上、一部の自治体では請求事務の窓口を国保連に委託しているケースも報告されていますが、これは全国一律の仕組みではなく、あくまで自治体の選択です。自事業所が請求すべき先が市町村の担当課なのか、委託先の窓口なのかは、必ず事業所所在地の市町村に確認してください。

移動支援の実績記録票から市町村請求までの流れを示す6ステップの図。国保連を経由せず市町村へ直接請求する点を強調

請求フローの一般的な型|複数自治体の実務から見える共通パターン

移動支援の請求様式・単価・提出期限は自治体ごとに異なりますが、請求までの大まかな流れ(型)には共通点があります。東京都特別区、政令指定都市、その他の自治体が公開している移動支援の請求関係書類・手引きを確認すると、規模の異なる自治体でも次のような流れが概ね共通しています。

  1. 日々のサービス提供記録:外出のたびに開始・終了時刻、支援内容を記録し、利用者(または保護者)の確認を得ます。
  2. 自治体様式の実績記録票の作成:1か月分の提供時間・回数を利用者ごとに集計します。様式・記載項目は自治体が指定するものを使用します。
  3. 支給決定量・契約支給量の確認:受給者証に記載された支給量と実績にズレがないか、複数事業所を利用している場合は利用者負担上限額管理が必要かを確認します。
  4. 請求書・明細書の作成:自治体が定める単価表・様式にもとづいて請求金額を積み上げます。
  5. 市町村へ提出:窓口への持参・郵送、または自治体が用意する電子システムへのアップロードなど、指定された方法で提出します。提出期限は自治体によって異なり、例えば「翌月10日まで」「翌月15日まで」など複数のパターンが確認できます。
  6. 審査・確認・支払:内容に不備があれば自治体から差し戻しがあります。修正・再提出の方法や期限も自治体ごとに定められています。

いずれの自治体でも「日々の記録→月次集計→自治体様式での請求書類作成→提出→審査」という骨格は共通していますが、様式のフォーマット、提出方法(紙・電子)、提出期限、上限額管理の書式は自治体ごとに個別に定められている点は変わりません。複数の拠点で移動支援を提供している事業所では、自治体ごとに別々の様式・期限を管理する必要がある点が、他の障害福祉サービスにはない実務負担になりやすいところです。

移動支援と居宅介護・重度訪問介護の違い|対象者・外出の範囲・実施方法

(1)対象者の違い

移動支援と居宅介護・重度訪問介護は、対象者の考え方そのものが異なります。居宅介護・重度訪問介護は障害支援区分にもとづいて対象者が決まる(居宅介護は区分1以上、重度訪問介護は区分4以上かつ一定の要件)のに対し、移動支援は障害支援区分の高低にかかわらず、市町村が外出時の移動の支援が必要と認めた障害者等が対象になり得ます。

厚生労働省の資料「障害者等の移動の支援について」では、移動支援の対象者を「障害者等であって、市町村が外出時に移動の支援が必要と認めた者」としており、居宅介護・重度訪問介護のように障害支援区分の数値要件を前提としていません。この違いから、区分認定が低い、あるいは区分認定を受けていない障害児・障害者であっても、市町村の判断で移動支援を利用できる場合があります。

移動支援と居宅介護・重度訪問介護の対象者・支援内容・請求先の違いを比較する表

(2)対象となる外出の範囲の違い

もうひとつの大きな違いが、支援できる外出の目的・範囲です。居宅介護の通院等介助は、病院への通院や官公署での公的手続、障害福祉サービスを受けるための相談に係る移動介助に限定され、居宅が始点または終点であることが原則の要件です。重度訪問介護・同行援護・行動援護は、社会生活上必要不可欠な外出・社会参加のための外出を対象としつつ、「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出」を除くという共通の考え方が示されています。

移動支援も同様に、厚生労働省の整理では「社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出」を対象とし、経済活動に係る外出や通年かつ長期にわたる外出は原則になじまないとされています。ただし、この目的の範囲について「具体的な取扱いは各市町村の判断」と明記されている点が、居宅介護・重度訪問介護との決定的な違いです。

通学・通勤の取扱いは自治体判断(厚労省資料の例示)

厚生労働省の検討資料では、通年かつ長期にわたる外出や通勤・通学に関して、市町村の判断による例外的な取扱いの例が示されています。たとえば「介護者の疾病・入院等により一時的に通勤・通学時の介助が困難となった場合」「通勤・通学ルートを覚えるための訓練として一時的に利用する場合」「世帯の事情により送迎が困難と認められる場合」などです。

これらはあくまで例示であり、実際にどこまで認めるかは市町村ごとの要綱・運用に委ねられています。「他の自治体では通学の送迎に移動支援が使えたのに、うちの市では使えない」といった違いが生じるのは、この裁量部分によるものです。利用者から相談を受けた際は、自事業所が所在する市町村の要綱・Q&Aで個別に確認する必要があります。

(3)支援の実施方法の違い

支援の実施方法にも違いがあります。居宅介護・重度訪問介護は、いずれも1人の利用者に対するマンツーマンの個別支援が基本です。一方、移動支援は個別支援型(マンツーマン)だけでなく、グループ支援型(複数の障害者への同時支援、同一目的地・同一イベントへの複数人同時参加の支援など)や車両移送型(福祉バス等による送迎支援)といった、より柔軟な実施形態が制度上想定されている点が特徴です。

厚生労働省の実施要領では、この柔軟性について「実施主体の判断により地域の特性や個々の利用者の状況やニーズに応じた柔軟な形態で実施すること」と説明されています。個別給付が「決まった基準にもとづくマンツーマン支援」を前提とするのに対し、移動支援は市町村が地域資源や利用者ニーズに合わせて支援の形そのものを設計できる、という制度上の役割分担があります。

請求実務のよくある落とし穴|様式・支給量・他サービスとの混同

(1)自治体ごとの様式の違いによる記載ミス

複数の自治体で移動支援を提供している事業所や、他サービスから移動支援を新たに始めた事業所で特に起きやすいのが、様式の思い込みによる記載ミスです。居宅介護・重度訪問介護で使い慣れた実績記録票の感覚のまま、移動支援の自治体様式に記入してしまい、必要な項目が抜け落ちる、記載欄の意味を取り違える、といったケースが起こりえます。

実務上のポイントは、①請求する自治体ごとに最新の様式・記入例・手引きを個別に確認すること、②様式が改定されるタイミング(押印廃止、電子提出への移行など)を見落とさないこと、③複数自治体分の様式を混同しないよう、拠点・自治体ごとにファイルを分けて管理すること、の3点です。ある自治体の様式をそのまま別の自治体に流用してしまう記載ミスは、返戻や差し戻しの典型的な原因になります。

(2)支給決定量の確認不足

移動支援も、他の障害福祉サービスと同様に、利用者ごとに市町村が決定した支給量(月間の利用時間数など)の範囲内でサービスを提供する必要があります。支給決定の更新・変更を見落としたまま従来どおりの請求を続けてしまうと、支給量を超えた請求として扱われたり、逆に本来利用できる範囲内なのに過小にサービス提供してしまったりするおそれがあります。

受給者証の有効期間や支給量は、居宅介護・重度訪問介護と同様に定期的な見直しの対象になります。移動支援の場合はとくに、支給決定の判断基準そのものが市町村の裁量に委ねられている部分が大きいため、利用者の状況変化(通学先の変更、家族の介護状況の変化など)があった際に、支給量の見直しが必要かどうかを相談支援専門員や市町村の窓口とこまめに確認することが実務上重要です。

(3)重度訪問介護の外出支援との違いの混同

重度訪問介護を提供している事業所が移動支援も併せて提供している場合、重度訪問介護の「外出時における移動中の介護」と、移動支援の「個人単位での外出支援」を同じ感覚で記録・請求してしまう混同が起こりやすい落とし穴です。重度訪問介護は個別給付として国保連へ請求し、区分4以上の対象者に対する長時間・包括的な支援の一部として外出時の移動介護を含みますが、移動支援は地域生活支援事業として市町村へ請求する別建てのサービスです。

同一の利用者が重度訪問介護と移動支援の両方を利用しているケースでは、①どちらのサービスとして外出支援を行ったのか(個別支援計画・支援記録上で区別できているか)、②請求先を誤っていないか(重度訪問介護分を市町村へ、移動支援分を国保連へ、といった取り違えがないか)、③それぞれのサービスで定められた対象となる外出の範囲(通勤・通学・経済活動等の除外規定)を混同していないか、の3点を記録の時点から明確に分けておく必要があります。同じ「外出支援」という言葉でも、どちらの制度にもとづく支援なのかを職員間で共通認識にしておくことが、記録・請求の混同を防ぐ基本になります。

(4)通年かつ長期にわたる外出の扱い

厚生労働省の整理では、移動支援を含む移動系サービス全般において「通年かつ長期にわたる外出」は原則として対象になじまないとされています。しかし、これはあくまで原則であり、日中活動系サービスの事業所への通所など、実質的に「通年かつ長期」となる外出について、市町村が個別の事情を踏まえて例外的に認めているケースがあることにも注意が必要です。

厚生労働省の検討資料では、通年かつ長期にわたる外出の例外的な取扱いとして、「保護者の就労により送迎が困難な場合」「日中活動系サービス事業所、児童通所施設等へ通所する場合」「世帯に障害者が複数いる、ひとり親、虐待等、送迎が困難と認められる家庭の事情がある場合」などが例示されています。こうした例外がどこまで自事業所の所在する市町村で認められているかは、要綱や個別の支給決定内容を確認しないと分かりません。継続的な支給決定が出ている場合でも、その根拠(どの例外規定にもとづく決定か)を把握しておくと、更新時期の相談や記録の整合性確認がスムーズになります。

自前対応の限界と請求代行という選択肢

ここまで見てきたように、移動支援の請求には押さえるべき論点が数多くあります。①国保連ではなく市町村への直接請求という他の障害福祉サービスとは異なる仕組み、②自治体ごとに異なる様式・単価・提出期限、③複数自治体で事業展開している場合の管理の複雑さ、④支給決定量の確認、⑤重度訪問介護など他サービスとの外出支援の区別、⑥通年かつ長期にわたる外出の例外的な取扱いの確認——どれかひとつなら対応できても、これらが毎月同時に発生するのが移動支援の請求実務です。

とくに負担を重くしているのが、「自治体の数だけ請求のやり方が増えていく」という構造です。国保連請求であれば、様式や締切、伝送の仕組みは全国的におおむね共通で、一度体制をつくれば提供地域が広がっても同じ流れを横展開できます。ところが移動支援は地域生活支援事業として市町村が独自に制度設計しているため、A市とB市で様式が違う、提出期限が違う、単価の考え方が違う、ということが当たり前に起こります。提供する市町村が1つ増えるごとに、覚えるべきルールが丸ごと1セット増える——他のサービスにはない、移動支援ならではの負荷といえます。

さらに、重度訪問介護や行動援護など外出支援を含む他サービスと併せて提供している事業所では、「この外出はどちらの制度で算定するのか」という判断が日々発生します。同じヘルパーが同じ利用者の外出に同行していても、根拠となる制度が違えば請求先も様式も変わるためです。現場の記録段階で区別が曖昧なまま請求まで進むと、市町村への請求と国保連への請求の両方に影響が及び、確認や修正の手間は二重になります。

もちろん、自前で請求を続けることには利点もあります。市町村の担当窓口と直接やり取りを重ねることで自治体との関係が築け、疑義照会にも現場の実情を踏まえて柔軟に答えられます。制度の細部を自社で把握していること自体が、運営指導への備えにもなります。だからこそ、「すべてを外に出すか、すべてを抱え込むか」の二択で考える必要はありません。問題は、その体制が特定の担当者1人の頑張りで維持されていないかという点です。次のような状態に心当たりがないか、一度立ち止まって確認してみてください。

自治体ごとの様式管理、こんな状態なら要注意
  • 提供する市町村が増えるたびに、様式・単価・提出期限の確認をゼロからやり直している
  • 自治体ごとの提出ルールがマニュアル化されておらず、請求担当者の頭の中にしかない
  • 移動支援と重度訪問介護など他サービスの外出支援の区別を、請求段階になってから慌てて確認している
  • 請求業務が月初に集中し、管理者やサービス提供責任者が本来の業務を止めて対応している

ひとつでも当てはまるなら、外部への一部委託(請求代行)を検討するタイミングかもしれません。ただし、正直にお伝えしておきたいのは、移動支援の請求を代行がどこまでカバーできるかは、業者と自治体の組み合わせによって異なるということです。請求代行の多くは国保連請求を主な対象としており、市町村への直接請求である移動支援は、対応の可否や範囲が業者ごとに分かれます。検討する際は、「移動支援(地域生活支援事業)の市町村請求に対応しているか」「複数自治体の様式・ルールの違いに対応できるか」を必ず確認してください。仮に移動支援の請求そのものは「対応外」とされた場合でも、実績記録の整理や提出前のチェックなど周辺業務の支援を受けられるケースもあるため、最初からあきらめずに相談してみる価値はあります。

また、移動支援そのものは自社で請求を続ける場合でも、居宅介護や重度訪問介護など国保連請求の部分を外注し、社内のリソースを自治体ごとの個別対応が必要な移動支援に集中させる、という切り分け方もあります。制度改定や自治体ごとの運用変更のたびに情報連携できるか、担当者の急な退職・休職時にも請求を止めない体制をつくれるか——委託範囲の設計も含めて考えたい場合は、障害福祉専門の請求代行サービス(WITH福祉)に、現在の請求体制と提供している自治体の状況を伝えたうえで、対応範囲を確認してみるのが近道です。

請求代行業者の比較や選び方のポイントは「障害福祉の国保連請求代行 オススメ業者3選・選び方」で詳しく解説しています。また、移動支援は国保連ではなく市町村への請求が中心となるため他の障害福祉サービスとは別の実務知識が必要になりますが、障害福祉の請求実務全体(国保連請求の流れ・返戻・過誤・上限額管理など)については、ピラー記事「【2026年最新版】障害福祉サービスの国保連請求 完全ガイド」で解説しています。居宅介護・重度訪問介護など他サービスを併せて提供している事業所は、あわせてご確認ください。

まとめ

移動支援の請求は、①障害者総合支援法の自立支援給付ではなく市町村の地域生活支援事業(必須事業)であること、②国保連ではなく原則として市町村へ直接請求する仕組みであること、③単価・支給量・様式・提出期限が市町村ごとに個別に定められていること、④対象者は障害支援区分にかかわらず市町村が認めた者であり得ること、⑤対象となる外出の範囲・通年かつ長期の外出の扱いも市町村の裁量に委ねられていることを理解することが、他の障害福祉サービスとの混同や返戻を防ぐ近道です。具体的な単価・様式・支給量・提出期限は必ず事業所所在地の市町村へ確認してください。

請求のやり方そのものに不安がある場合や、複数自治体対応・属人化のリスクを減らしたい場合は、請求代行という選択肢も含めて検討してみてください。障害福祉の請求代行業者の選び方は「障害福祉の国保連請求代行 オススメ業者3選・選び方」でも紹介しています。

自治体ごとに違う請求ルールに振り回されない体制へ
移動支援は市町村ごとに様式・単価・提出期限が異なり、複数自治体で事業展開しているほど請求管理の負担が大きくなりがちなサービスです。
請求業務を外部に任せれば、自治体ごとのルールの違いに振り回されにくくなり、担当者の急な退職でも請求を止めない体制をつくりやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 移動支援の請求は、居宅介護と同じように国保連へ伝送できますか?

移動支援は障害者総合支援法の自立支援給付ではなく市町村の地域生活支援事業であるため、居宅介護・重度訪問介護のような国保連の統一伝送システムを前提とした仕組みではありません。原則として市町村へ直接請求します。ただし自治体によっては請求事務の一部を国保連に委託している場合もあるため、自事業所が請求すべき先は事業所所在地の市町村に確認することをおすすめします。

Q2. 移動支援は障害支援区分が低くても利用できますか?

居宅介護・重度訪問介護のように障害支援区分の数値要件を前提とせず、市町村が外出時の移動の支援が必要と認めた障害者等であれば利用できる場合があります。ただし、具体的にどのような状態像・状況であれば支給決定されるかの判断基準は市町村ごとに異なるため、利用希望がある場合は相談支援専門員や市町村の窓口へ相談することをおすすめします。

Q3. 移動支援は通学や通勤にも使えますか?

通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出は原則として対象になじまないとされています。ただし、介護者の疾病・入院等により一時的に困難となった場合や、通学ルートを覚えるための訓練として一時的に利用する場合など、市町村の判断で例外的に認められることもあります。具体的な取扱いは自治体ごとに異なるため、個別に確認が必要です。

Q4. 複数の市町村で移動支援を提供する場合、請求の負担は大きくなりますか?

提供する市町村の数だけ、様式・単価・提出期限・支給決定の運用を個別に把握する必要があるため、他の障害福祉サービスに比べて管理の負担が大きくなりやすい傾向があります。拠点・自治体ごとに様式やルールを整理して管理する、あるいは請求業務の一部を外部に委託することで、負担を軽減できる可能性があります。

【出典・参考資料】