機能訓練指導員の仕事内容とは? 資格の取り方、取得メリットを解説

機能訓練指導員

この記事は、機能訓練指導員になりたいリハビリ・看護職の方や、配置や加算を確認したい介護施設の管理者に向けたものです。機能訓練指導員になれる8つの資格、仕事内容、個別機能訓練加算、給与の目安が分かります。2026年6月時点の最新情報で解説します。

機能訓練指導員は、介護施設やデイサービスなどで、利用者の身体機能の維持・向上のための訓練を行う職種です。

この記事でわかること

  • 機能訓練指導員とはどんな職種か
  • 機能訓練指導員になれる8つの資格
  • 主な仕事内容と配置される施設
  • 2024年度改定の個別機能訓練加算
  • 給与の目安と将来性

機能訓練指導員とは?

機能訓練指導員とは、介護保険のサービスで、利用者が日常生活を営むのに必要な機能の減退を防ぐ訓練を行う職種です。特別養護老人ホームや老人保健施設、デイサービス(通所介護)などに、人員基準として配置が定められています。利用者一人ひとりに合わせた機能訓練の計画を立て、実際の訓練を担う、自立支援の要となる役割です。

機能訓練指導員は、それ自体が独立した国家資格ではありません。定められた資格を持つ人がその役割に就く仕組みになっています。

機能訓練指導員になれる8つの資格

機能訓練指導員になれるのは、次の8つの資格を持つ人です。

資格 備考
理学療法士(PT) 運動機能の回復・維持の専門職。
作業療法士(OT) 日常生活動作や応用動作の訓練の専門職。
言語聴覚士(ST) 言語・聴覚・嚥下の専門職。
看護師・准看護師 看護職員として従事。
柔道整復師 骨・関節・筋などの施術の専門職。
あん摩マッサージ指圧師 手や指による施術で身体の機能回復を図る専門職。
はり師 一定の実務経験が必要(下記参照)。
きゅう師 一定の実務経験が必要(下記参照)。

このうちはり師・きゅう師は、2018年度(平成30年度)の介護報酬改定で新たに対象に加わりました。ただし他の6資格と異なり、追加の要件があります。具体的には、ほかの資格を持つ機能訓練指導員が配置されている事業所で6か月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験が必要です。なお、はり師・きゅう師が加わったのは平成30年度改定です(「令和3年度に追加」とする誤った記述が一部にあるため、注意してください)。

機能訓練指導員の仕事内容と配置先

機能訓練指導員の主な仕事は、計画作成・訓練の実施・評価と見直し・多職種連携の4つです。具体的には次のとおりです。

  • 利用者の状態をふまえた個別機能訓練計画の作成(多職種で共同)
  • 計画にもとづく個別・小集団の機能訓練の実施
  • 定期的な評価と計画の見直し(おおむね3か月に1回以上)
  • 利用者・家族への説明、ケアマネジャーへの報告・連携

配置される主なサービスは、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)などです。原則として1名以上の配置が求められます。利用者のADL(日常生活動作。食事や入浴など毎日の生活動作)の維持・向上に直接関わる仕事です。ADL(日常生活動作)とは?の記事もあわせて読むと理解が深まります。

個別機能訓練加算(2024年度改定)

機能訓練指導員の働きを評価する代表的な仕組みが、通所介護などの個別機能訓練加算です(加算とは、要件を満たすと介護報酬に上乗せされる仕組み)。2024年度(令和6年度)改定での内容は次のとおりです。

区分 単位数 主な要件
個別機能訓練加算(I)イ 56単位/日 専従の機能訓練指導員を1名以上配置し、計画作成・訓練・評価を実施。
個別機能訓練加算(I)ロ 76単位/日 (I)イの要件に加え、専従の機能訓練指導員をさらに1名以上配置。
個別機能訓練加算(II) 20単位/月 (I)を算定したうえで、LIFEへデータを提出し活用する。

2024年度改定では、(I)ロの単位数が85単位から76単位に引き下げられる一方、配置時間の要件が緩和されました。(II)は、科学的介護情報システム「LIFE」(利用者の状態や計画のデータを国に提出し、分析結果を活用する仕組み)へデータを提出し、フィードバックを活用することが要件です。(I)とあわせて算定します。この加算体系は2021年度(令和3年度)改定で整理され、データにもとづく「科学的介護」を後押ししています。

機能訓練指導員の給与・将来性

給与は、保有する資格(理学療法士・看護師など)や勤務先によって差があります。厚生労働省の処遇状況等調査では、「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士または機能訓練指導員」という区分で集計されています。常勤の平均給与は月額おおむね36万~37万円台、年収換算で約440万~450万円程度が目安です(機能訓練指導員単独の公的平均はありません)。求人ベースではこれより低めに出ることもあります。

機能訓練のニーズは、今後も続くと考えられます。高齢化の進展と、自立支援・重度化防止を重視する制度の流れが背景です。リハビリ職や看護職、柔道整復師などが、それぞれの専門性を介護の現場で活かせる職種です。

個別機能訓練加算でつまずきやすい点と自己点検チェックリスト

個別機能訓練加算は、配置や記録の要件を一つでも欠くと返還・減算につながります。管理者が自施設で点検すべき要点を整理しました。

減算・返還につながりやすいNG例

  • 機能訓練指導員が「専従」要件を満たさず、他業務と兼務していた
  • 個別機能訓練計画を多職種共同で作成した記録が残っていない
  • 3か月ごとの評価・見直しが抜け、計画が更新されていなかった
  • (II)を算定しながらLIFEへのデータ提出が遅延・欠落していた
  • はり師・きゅう師を配置したが、6か月以上の従事経験の確認書類がない

自施設で確認する自己点検チェックリスト

監査や実地指導の前に、次の項目を順に確認しておくと安心です。

点検項目 確認のポイント
配置・資格 有資格者が専従で配置され、資格証の写しを保管しているか
計画作成 多職種共同の記録と本人・家族への説明同意があるか
実施記録 訓練の実施日・内容・担当者が日々記録されているか
評価・見直し おおむね3か月ごとに評価し、計画へ反映しているか
LIFE(II算定時) 提出期限内にデータを送り、フィードバックを活用しているか

スタッフへの説明に使えるQ&A

部下から「なぜここまで記録が必要か」と聞かれたときの説明例です。

  • Q. 訓練さえすれば加算は取れる? A. 計画・実施・評価の記録がそろって初めて算定できます。記録の不備は返還の対象になります。
  • Q. 計画はサ責や相談員が作ってもよい? A. 機能訓練指導員が中心となり多職種で共同作成します。役割分担を記録に残しましょう。

単位数や算定要件は改定で変わります。最新の取り扱いは、厚生労働省の介護・高齢者福祉のページで必ず確認してください。なお、機能訓練指導員として転職を考えるリハビリ職・看護職の方は、給与だけでなく「計画作成までを任されるか」「機器や人員体制が整っているか」を求人段階で確認すると、入職後のミスマッチを防げます。

よくある質問(FAQ)

Q. 機能訓練指導員になるのに、新たな資格試験は必要ですか?

A. 必要ありません。機能訓練指導員は独立した資格試験ではなく、理学療法士・看護師など定められた8つの資格を持つ人がその役割に就きます。

Q. はり師・きゅう師でも機能訓練指導員になれますか?

A. なれます。ただし、ほかの資格を持つ機能訓練指導員が配置されている事業所で6か月以上、機能訓練指導に従事した経験が必要です。

Q. 機能訓練指導員と理学療法士は同じですか?

A. 理学療法士は機能訓練指導員になれる資格のひとつです。機能訓練指導員は「役割・配置上の職種名」、理学療法士は「国家資格名」という関係です。

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まとめ

機能訓練指導員とは、介護施設やデイサービスで利用者の機能の維持・向上のための訓練を行う職種です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師(准看護師)・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の8つの資格を持つ人が就くことができます。はり師・きゅう師には実務経験の要件があります。2024年度改定の個別機能訓練加算ではLIFEを活用した評価が重視され、自立支援の担い手として今後も需要が見込まれます。最新の単位数や要件は公式情報もあわせてご確認ください。

「リハビリや看護の資格を介護の現場で活かしたい」「機能訓練指導員として働ける職場を探したい」という方は、お気軽にご相談ください。

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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。介護報酬・制度などの最新情報は公式情報をご確認ください。