ケアマネ試験の難易度・合格率は?受験資格と勉強法を一次情報で解説【2026年6月更新】

ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の合格率は、近年10~30パーセント台で推移しています。誰でも受かる試験ではなく、計画的な学習が必要です。

この記事では、厚生労働省など一次情報をもとに、受験資格・合格率の推移・試験の中身・効率的な勉強法・合格後の流れまでをまとめます。介護福祉士などの実務者が、次の一歩を判断できる材料を用意しました。

結論:ケアマネ試験は合格率10~30パーセント台の難関

結論から言うと、ケアマネ試験は合格率が安定して低い、準備が要る試験です。直近の第28回(令和7年度)は受験者50,601人に対し合格者12,961人、合格率は25.6パーセントでした(厚生労働省発表)。

難しい理由は3つに整理できます。

  • 受験資格が法定資格+実務5年と厳しく、そもそも受けられる人が限られる
  • 出題が制度・法令中心で、現場経験だけでは答えにくい
  • 2つの試験分野それぞれで基準点を超えないと不合格になる

裏を返すと、出題範囲と合格基準がはっきりしているため、対策の的を絞れば届きます。まず全体像をつかみましょう。

合格率の推移 早見表(厚生労働省データ)

過去5回分の受験者数と合格率は次のとおりです。年度によって合格率が大きく上下するのが特徴です。

回(年度) 受験者数 合格者数 合格率
第24回(令和3年度) 54,290人 12,662人 23.3パーセント
第25回(令和4年度) 54,406人 10,328人 19.0パーセント
第26回(令和5年度) 56,494人 11,844人 21.0パーセント
第27回(令和6年度) 53,699人 17,228人 32.1パーセント
第28回(令和7年度) 50,601人 12,961人 25.6パーセント

出典:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」。第27回の32.1パーセントは過去20年で見ても高い水準で、年度差が出やすいことがわかります。

合格率が変動する主因は、その年の問題の難しさに応じて合格基準点が調整されるためです。「去年は高かったから今年も」とは限らないと考えておくと安全です。

受験資格:対象の法定資格と実務5年

ケアマネ試験は、誰でも申し込めるわけではありません。指定の国家資格などを持ち、その資格に基づく実務経験を一定期間積んだ人が対象です。

受験できる主なルートは次の2つです。

  • 医師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、栄養士などの法定資格を持ち、その業務に通算5年以上かつ900日以上従事した人
  • 生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として、要援護者への相談援助業務に通算5年以上かつ900日以上従事した人

注意したいのは、実務経験のカウント方法です。介護福祉士の場合、資格を取る前の介護業務は実務経験に算入されません。介護福祉士登録後の従事期間で5年・900日を満たす必要があります。

実際、第28回の合格者を職種別に見ると、介護福祉士が64.1パーセント、看護師・准看護師が16.2パーセントと、この2職種で大半を占めます(厚生労働省)。介護福祉士から目指す人が最も多いルートです。受験資格の詳しい数え方は、お住まいの都道府県の試験実施機関で必ず確認してください。

試験の概要:出題分野・形式・合格基準

試験の中身を知ると、対策の優先順位が決まります。出題は全60問で、2つの分野に分かれます。

項目 内容
介護支援分野 25問(介護保険制度、ケアマネジメント、要介護認定など)
保健医療福祉サービス分野 35問(高齢者の疾患、医療・福祉サービス、関連制度など)
出題形式 五肢複択のマークシート(選択肢から複数を選ぶ方式)
試験時間 120分
実施時期 例年10月(第28回は令和7年10月12日に実施)

合格基準は「各分野で正答率70パーセント程度」が目安ですが、問題の難易度に応じて毎年補正されます。たとえば近年は介護支援分野で13~18点前後、保健医療福祉サービス分野で22~26点前後が基準点となった年が多く見られます。

重要なのは、片方の分野だけ高得点でも合格できない点です。両分野とも基準点を超える必要があります。苦手分野を捨てる作戦は通用しません。

難易度の実態:なぜ「現場経験だけ」では落ちるのか

難易度の本質は、知識の量より「制度を正確に問う出題」にあります。日々の支援でこなしている業務も、試験では条文や手続きの言葉で問われるためです。

つまずきやすいポイントは次のとおりです。

  • 介護保険制度の財源・保険者・被保険者など、現場で意識しない仕組みの暗記
  • 要介護認定の流れや更新・区分変更といった手続きの細部
  • 高齢者に多い疾患や薬の知識など、医療系の出題(介護職には負担が大きい)
  • 五肢複択で「正しいものをすべて選ぶ」ため、あいまいな理解では1点も取れない

逆に言えば、出題分野は毎年ほぼ固定されています。範囲が読めるからこそ、過去問の反復で得点源を作りやすい試験でもあります。次に勉強法を示します。

効率的な勉強法:実務者が短時間で受かるコツ

働きながら受験する人が多いため、勉強法は「時間対効果」で選ぶのが現実的です。おすすめの進め方は次の手順です。

  1. 最新の市販テキストを1冊に絞り、まず全体を通読して範囲を把握する
  2. 過去問を3~5年分、繰り返し解く(出題の傾向と頻出論点を体に入れる)
  3. 間違えた問題だけをノート化し、苦手分野を可視化する
  4. 苦手な医療系・制度系を重点的に補強する
  5. 直前期は模擬試験で時間配分(120分・60問)に慣れる

学習の目安は、合計200~300時間とされることが多いです。1日1時間でも半年あれば到達できる量です。早めに始めて、毎日少しずつ積み上げるのが合格への近道です。

独学が不安なら、通信講座や対策講座を使う手もあります。費用はかかりますが、出題の的を絞ってくれるため、忙しい実務者には時間の節約になります。

合格後の流れ:実務研修の修了と登録が必須

試験に合格しても、それだけでケアマネとして働けるわけではありません。合格はスタート地点です。

合格後の流れは次のとおりです。

  1. 介護支援専門員実務研修(合計87時間程度)を受講・修了する
  2. 都道府県の介護支援専門員名簿に登録する
  3. 介護支援専門員証の交付を受ける

実務研修は数か月にわたり、講義に加えて実習も含みます。ここまで終えて、ようやくケアマネージャーとして業務に就けます。試験合格後の研修・登録までを1つのゴールとして計画してください。

なお、これまで資格には5年ごとの更新制がありましたが、2026年6月成立の改正介護保険法で更新制の廃止が正式に決まりました(施行までは現行どおり更新研修が必要です)。さらに経験を積めば、主任介護支援専門員(ケアマネをまとめる上位資格)へのステップアップも視野に入ります。介護支援専門員とは何か、その役割の全体像も合わせて押さえておくと、学習のモチベーションが続きます。

よくある誤解・NG行動

準備段階でつまずく人には、共通したパターンがあります。先に知っておけば回避できます。

  • 誤解:介護の実務経験があれば合格しやすい。実際は制度・法令の出題が中心で、経験だけでは届きません。
  • 誤解:資格取得前の介護経験も5年に数えられる。介護福祉士の場合、登録後の従事期間のみが対象です。
  • NG:得意な1分野だけ伸ばす。両分野で基準点が必要なため、苦手分野の放置は不合格に直結します。
  • NG:古い過去問・テキストで対策する。介護保険制度は改正が多く、最新版での学習が必須です。
  • NG:試験合格をゴールにする。合格後の実務研修・登録まで終えて初めて働けます。

これらを避けるだけで、合格の確率は大きく変わります。情報は必ず厚生労働省や都道府県の試験実施機関など、一次情報で確認しましょう。

まとめ:難関だが範囲は読める試験

ケアマネ試験は合格率10~30パーセント台の難関ですが、出題範囲と合格基準は明確です。受験資格(法定資格+実務5年・900日)を満たしたら、最新テキストと過去問で両分野をバランスよく固めれば、合格は十分に狙えます。

最も多い合格ルートは介護福祉士からのステップアップです。まずは自分の受験資格を都道府県の試験実施機関で確認し、学習計画を立てるところから始めましょう。資格取得後は、ケアマネージャーの役割を担い、活躍の場が広がります。

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参考(一次情報):厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(令和7年度・2025年実施)、同「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」、埼玉県「介護支援専門員実務研修受講試験」(2026年6月更新)。