サービス提供実績記録票の書き方は、様式ごとに記入欄の意味が少しずつ違い、自己流で記載してしまう事業所も少なくありません。この記事は、居宅介護・重度訪問介護・同行援護・移動支援など障害福祉サービスの請求担当者に向けたものです。実績記録票の記入例を様式別に整理しました。
結論から言うと、実績記録票は「誰に・いつ・どのサービスを・何分提供したか」を記録する書類です。様式1・様式3-1・様式19のいずれも、国保連(国民健康保険団体連合会)への請求データと内容を一致させる必要があります。書式は違っても、受給者番号とサービス内容の記載精度が請求の正確性を左右する点は共通しています。
この記事を読めば、様式ごとの記入欄の違い、記入例、記載ミスが起きやすいポイントが分かります。
記事でわかること
サービス提供実績記録票とは:請求の根拠になる記録
サービス提供実績記録票とは、障害福祉サービスの提供実績を利用者ごと・日ごとに記載する帳票です。国保連への請求データは、この記録票の内容をもとに作成します。
記録票に記載した内容と請求内容が食い違うと、返戻(差し戻し)や過誤請求の原因になります。実地指導でも、記録票と請求内容の突合は必ず確認される項目です。日々の記載を正確に行うことが、後の請求事務の負担を減らすことにつながります。
様式によって対象サービスが異なる
実績記録票は、サービスの種類によって使う様式が変わります。主なものは次のとおりです。
- 様式1:居宅介護(身体介護・家事援助・通院等介助・通院等乗降介助)で使う様式
- 様式3-1:重度訪問介護専用の様式
- 様式19:同行援護専用の様式(行動援護は様式2を使用)
どの様式を使うかは提供するサービスの種類で決まります。移動支援などの地域生活支援事業は国の様式ではなく、自治体ごとの独自様式を使います。放課後等デイサービスや児童発達支援など障害児通所支援も別系統の様式(放デイは様式5など)です。契約先の自治体が指定する様式を必ず確認してください。
様式1の書き方:居宅介護など訪問系サービスの記入例
様式1は、居宅介護(身体介護・家事援助・通院等介助など)で使う実績記録票です。ヘッダー部分と明細部分の2つに分かれています。
ヘッダー部分の記入項目
ヘッダーには、対象年月・利用者氏名・受給者番号・事業所名・事業所番号などを記載します。受給者番号は10桁の数字で、前ゼロを省略せずに記載することが重要です。
例えば受給者番号が「0020404349」の場合、先頭の「00」を省いて「20404349」と書くのはNGです。システム上の照合でエラーになることがあります。必ず10桁のまま転記しましょう。
明細部分の記入項目
明細部分には、日付・曜日・サービス内容・計画時間・実績時間を1日ごとに記載します。記入例は次のとおりです。
- 日付:「6」(6日の意味。前ゼロは不要)
- サービス内容:「身体介護」または「家事援助」など該当欄に○や記載
- 実績の開始・終了時刻:「09:00」から「10:30」のように4桁で記載
- 算定時間数:時間から自動計算される場合と手動計算が必要な場合がある
ここで特に注意したいのが、計画欄と実績欄を混同しないことです。請求の根拠になるのは実績欄であり、計画どおりに提供できなかった日は、実績欄に実際の時間を正確に記載する必要があります。
様式3-1の書き方:重度訪問介護の記入例
様式3-1は、重度訪問介護に特化した実績記録票です。長時間にわたる支援が多いため、様式1よりも時間の記載欄が細かく分かれているのが特徴です。
重度訪問介護ならではの記入ポイント
重度訪問介護は日をまたぐ長時間の支援になることがあります。日をまたぐ実績は、当日分と翌日分を別の行に分けて記載するのが基本です。0時で区切る際の時刻の書き方は国保連や自治体の記載要領で異なるため、提出先のルールに合わせてください。
また、移動介護加算を算定する日は、移動介護にあたる時間数を専用の「移動」欄に記載します。移動を伴う支援と伴わない支援が同日にある場合も、移動分の時間数を正しく分けて記載しましょう。
記入例
- 日付:「15」
- サービス提供時間:「08:00」から「20:00」(12時間の支援)
- 移動介護:うち移動にあたる2時間分を「移動」欄に記載
時間数が長いぶん、開始・終了時刻の1桁のずれが算定単位数に大きく影響します。記載後に見直しを行う習慣をつけましょう。
様式19の書き方:同行援護の記入例
様式19は、視覚障害者の外出を支援する同行援護専用の実績記録票です。サービス内容欄に従業者の資格区分を併記する点が特徴で、資格により適用される単価が変わります。
従業者の資格区分を正確に書き分ける
様式19のサービス内容欄には、支援した従業者の資格区分を記載します。厚生労働省の記載例で示されている主な区分は次のとおりです。
- 同行(初任者等):初任者研修修了者などが支援した場合
- 同行(基礎等):基礎研修課程修了者などが支援した場合
- 同行(通訳):盲ろう者向け通訳・介助員が支援した場合
- 同行(初任・通訳)/同行(基礎・通訳):資格を併せ持つ場合の併記
資格区分によって適用される単価が変わるため、書き漏れや誤記はそのまま請求誤りにつながります。勤務した従業者の資格と記載内容が一致しているか、記入時に必ず確認してください。
記入例
- 日付:「22」
- サービス内容:「同行(初任者等)」のように資格区分を併記
- 実績時間:「13:00」から「15:00」
- 初回加算・緊急時対応加算:該当する場合のみ「1」を記載し、該当しない日は空欄のままにする
初回加算や緊急時対応加算の欄は、該当しない日に無理に記号を入れないことが大切です。空欄と「該当なし」を示す記号を混在させると、後で確認する際に判断しづらくなります。
様式共通で記載ミスが起きやすいポイント
様式が違っても、実績記録票の記載でつまずきやすい箇所には共通点があります。請求担当者が事前にチェックしておきたいポイントをまとめました。
受給者番号の誤記載
受給者番号は10桁の数字で、前ゼロを含めて正確に記載する必要があります。似た数字(8と6、5と3、1と7など)は書き間違いや読み間違いが起きやすい組み合わせです。手書きの場合は特に丁寧な記載を意識しましょう。
実績欄と計画欄の混同
計画欄はあらかじめ立てた予定であり、請求の根拠にはなりません。実績欄が空欄のままだと、その日は「未提供」として扱われます。提供したサービスは必ず実績欄に記載してください。
サービス内容コードの選択ミス
様式19の資格区分や、移動支援など自治体様式の「身体介護を伴う/伴わない」区分は取り違えが起きやすい箇所です。契約支給量や受給者証の記載内容と突き合わせながら、該当する区分を選びましょう。
日をまたぐ実績の記載方法
重度訪問介護など長時間の支援では、日をまたぐ記載方法にルールがあります。当日分と翌日分は行を分けて記載し、0時で区切る時刻の書き方は提出先の記載要領に合わせます。自己流で書かず、様式のルールに沿った記載を徹底しましょう。
記入後は請求データとの突合を必ず行う
実績記録票を記入したら、そのまま提出するのではなく、請求ソフトに入力するデータと突合することが欠かせません。受給者番号・サービス内容・時間数の3点は、特に念入りに確認しましょう。
突合作業を毎月手作業で行うと、利用者数が多い事業所ほど確認の負担が大きくなります。記載ミスが1件あるだけで返戻や過誤請求につながり、給付費の入金が遅れる原因にもなります。
返戻になったらどう直す?再請求までの流れ
記載ミスが請求データに紛れ込むと、国保連から返戻(差し戻し)として戻ってきます。返戻は焦る出来事ですが、直し方の型を知っていれば落ち着いて対応できます。
- 返戻一覧表でエラー内容を確認する(受給者番号の誤り・支給量超過・重複請求が典型)
- 実績記録票と受給者証を突き合わせ、正しい内容に修正する
- 修正した請求データを翌月の請求期間(10日まで)に再請求する
注意したいのは、いったん支払われた請求の誤りに後から気づいた場合です。この場合は再請求ではなく、自治体経由の過誤申立てで取り下げてから請求し直す流れになります。手続きの締切は自治体ごとに異なるため、早めに窓口へ確認してください。
返戻が出ると、その分の入金は1か月以上遅れます。利用者数が多い事業所ほど影響が大きいため、提出前の突合で防ぐことが第一です。返戻対応や再請求まで含めて任せられる障害福祉の請求代行サービスで、担当者の負担を減らす方法もあります。
自施設で確認しておきたいこと
実績記録票の書き方を見直す際は、次の点を自施設の運用に当てはめて確認してみましょう。
- 使用しているサービスに対して、正しい様式(様式1・様式3-1・様式19など)を使えているか
- 受給者番号を10桁のまま、前ゼロを省略せずに記載できているか
- 実績欄と計画欄を混同せず、実際に提供した時間を記載できているか
- 記載担当者によって書き方にばらつきが出ていないか
実績記録票の記載は、毎月・毎日発生する地道な業務です。担当者の負担が積み重なりやすく、記載から請求データ作成までを自施設だけで抱え込むと、確認作業に多くの時間がかかります。
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まとめ:様式別の書き方を押さえて記載ミスを防ぐ
サービス提供実績記録票は、様式1・様式3-1・様式19のいずれも記載の基本が共通しています。受給者番号とサービス内容、実績時間を正確に記載することです。様式ごとの記入欄の違いを理解し、計画欄と実績欄を混同しないことが、記載ミスを防ぐ第一歩になります。
記載後は請求データとの突合が必須ですが、この確認作業に多くの時間を取られている事業所も多いのではないでしょうか。記録票の作成後、そのままFAXするだけで請求業務を代行できる仕組みを使えば、突合や請求事務の負担そのものを減らせます。
障害福祉サービスの請求事務代行「WITH福祉」は、記入済みの実績記録票をFAX一本で送るだけで利用できます。請求データの作成から国保連への伝送までを代行するサービスです。請求事務の負担を90%削減した実績があります。毎月約18,000件の請求を代行し、全国47都道府県・約1,000事業所に導入されています。実績記録票の記載から請求までを自施設だけで抱え込まずに済む体制づくりに役立ちます。記載ミスの確認や請求事務の負担に悩む事業所は、一度サービス内容を確認してみてください。
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参考(一次情報)
- 厚生労働省「サービス提供実績記録票(記載例)」(様式1・様式2・様式3-1・様式19などの公式記入例)
- WAM NET「サービス提供実績記録票【令和3年4月施行分】」(様式一式の行政資料ページ)
- 厚生労働省「障害福祉サービスの利用について」(制度全体の公式パンフレット)
- 都道府県国民健康保険団体連合会「介護給付費等の請求と支払の仕組み」(提出期限・返戻・過誤の詳細は各国保連の資料で確認)
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