全産業平均より7万円低い介護業界の賃金事情は2026年に改変するのか?

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!

ご感想をお待ちしております。

そんな連載45回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

全国の介護従事者で組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」は28日、賃上げの進捗を把握する調査の最新の結果を公表した。【Joint編集部】
月給制で働く介護従事者の昨年7月の賃金は、平均で月26万9194円。昨年3月と比べて2.9%(7462円)上がっていた。

厚生労働省の統計に基づく全産業平均の賃金は月34万600円で、介護従事者はこれより7万1406円低い。前年(6万4689円)から格差がさらに拡大しており、介護業界の賃上げがまったく追いついていない実態が改めて浮き彫りになった。

NCCUの染川朗会長は会見で、「賃上げは進んだがその幅が不十分で、他産業との格差が拡大し続ける結果となった」と問題を提起した。そのうえで、「物価が上昇している中で、同じ生活を維持することすら困難な非常に厳しい結果」と述べ、国による賃上げ策の一層の充実が必要だと訴えた。
この調査は、NCCUが昨年8月から10月にかけて実施したもの。全国の組合員3391人の調査票を集計した。このうち、月給制で働く介護従事者は2139人。

「今の賃金に満足しているか」という質問に対しては、66.8%が「不満」と回答。物価高を踏まえて「1年前と比べて生活に変化はあったか」と聞くと、67.7%が「苦しくなった」と答えた。

(引用介護joint)

2023年調査結果で介護業界の賃金は7000円以上上がった

毎年恒例のNCCUという所の調査結果が上がりましたね。

毎年、みんなの給料をヒアリングした結果で平均値を出している所になります。

日本では絶対的信頼を置けるデータではありますが一応補足としてこれが絶対に正しいデータではないことを一応解説しておきましょう。

ブラック企業的な所はデータに入っていない

このデータってNCCUに加盟している企業のデータなので、それなりに大規模な企業さんだけが入っているものになります。

故に小さな企業さんに入っている所まで含めた日本全体のデータではない。

よく春にやってる賃上げ交渉の末このくらい給料が上がりましたとかボーナスが入り増したみたいなニュースと一緒でスタートの段階からある程度上の企業さんから抽出したデータになるという事を抑えていただければ幸いです。

7000円上がったけど生活状況は苦しくなった

月給7000円て正直なところ結構上がってるなっていう印象です。

7000円あったら子供の習い事とか月謝が安いやつだったら払えるし、家族で安い所だったら外食できるかなくらいの上がり幅。

でも、これって日本に潜む悲しい仕組みでこうは上手くいかないんですよね。

7000円以上上がったにしても、税金はもちろん引かれる

当たり前のことではありますが、7000円以上給料が増えれば税金もその分ひかれていきます。ざっくり計算すると、2割から3割手前ほど税金が引かれますので、手取り計算すると5000円ちょっとかなという所ですね。

5000円となると、習い事の月謝は払えないだろうから何かの体験会とかお試しのスポット利用くらい。食事も激安チェーンでようやくギリギリ足りるかなっていうくらいの費用になりますね。

そもそも5000円以上上がったものが多い

今回は2023年度の調査結果ですので、それほど物価上昇していない頃じゃなかったかな?と思い調べてみると、

卵は1割~2割上がり、エッグショックと騒がれ、カップ麺も1割以上値上がり、パンやチョコレートも1割程度値上がりしている時期ですね。

今があまりにも値上がりしすぎているだけで、この頃も十分に食品の値上げが始まっている時期でした。

まさかこの頃は2026年には卵1パックが250円を超え、チョコレートはほぼ2倍の価格になるとは思ってもみなかったでしょう。

2026年現在はこの頃より物価高騰が激しく、生活が苦しくなったと感じる人たちがもっと増えているんだろうなと思います。

介護業界においても電気ガス水道代等の光熱費が上がり、ガソリン代はおろか消毒液やボールペンに至るまで全てのものが値上がりしました。

むしろこの状況で介護業界の給料が上がった事すら素晴らしい事でしょうね。

介護職員の給料は物価が上がっても増えない仕組み

【公式】ケアマネ介護福祉士は介護業界に20年以上いるので、この仕組みの恩恵も受けているため何とも言い難い部分ではありますが、介護業界の収入はほとんどが国が決めた単価(値段)で決められている介護保険報酬となります。

値段の改定は3年に一度。

派遣切り、就職氷河期、リーマンショックと不景気と呼ばれ、みんなの給料が下がった時も給料は一定。

不景気で物が売れなくても介護業界は変わらず盛況でむしろいろんな物品が不景気で安くなるので収益が上がる。

そんな半面、今のご時世のように周りの給料が上がり、同時に物価が上がったにしても介護業界に努める側の給料は変わらず。

むしろ、消耗品や光熱費が値上がりした分給料が減るかもしれないし、支出する値段が上がっているのに給料が一緒なので実質減っている感覚ですね。

むしろこの仕組みでよく2023年に給料が業界全体で7000円も上がったなと思うくらいです。
【公式】ケアマネ介護福祉士的に、この7000円も大企業が損保事業だったり土建事業だったりと他の産業をやっているから大きなプラスを生んでいるので給料が上がっただけで、介護事業一本の所とか中小企業はマイナスだったのではないかと思ってしまうくらいです。

全産業平均は広がるばかり

この統計の恐ろしい所はこの数字がおそらくではありますが2026年にはもっと広がっているという所ですね。

その辺を調べたところ、厚労省の賃金構造基本統計調査では格差が8万円を突破しておりました。
もちろん調べ方が違うので一概に8万円という数字が正しいとは言えませんが、おそらく格差が広がっているのは間違いないでしょう。

一般企業は2年連続爆上げ

介護業界は給与が7000円あがったとのことです。

その一方で、一般企業の伸び率は2024年、2025年で2年連続5%越えの賃金上昇となっています。

金額にすると2万円近く上がっているとのこと。

そりゃあ賃金格差は広がるよなという所ではありますが、業種別にみると、IT系の企業や鉄鋼金属関連は8~12%の賃上げとなっており2025年は中小企業も5%の賃上げを実現しているためとうとう中小企業においても給料が上がる時代に突入したんだねっていう話になりました。

この上昇率の差が続けば、更に賃金格差は広がるんだろうなという印象です。

まあ介護保険の性質上、物価の乱高下に影響されないというのがメリットの一つではあったので、仕方ない部分ではありますがここまで物価と報酬に解離が出ると介護業界全体で運営が厳しくなってくることでしょう。

物価高騰はとうとう人件費にも

最低賃金も上がり、介護業界は人手不足に拍車をかけることでしょう。

介護保険事業に関しては人件費率、ざっくり支出の割合ですが、訪問介護などは7割~8割となっています。

そんな大部分を占める人件費ですが最低賃金が上がり、他産業の平均求人時給が上がれば介護業界で働きたいと思う人も減ってくるでしょう。

そうなれば職員が集まらず、利用者獲得をしてもケアに入ることが出来ないため収入がとれない。
人員配置基準を満たすことが出来なくなるため事業を存続させるためにとんでもないコストをかけ派遣職員を雇う。

あるいは紹介業者を通じての募集に関しても、30~50万円の紹介料がかかるにしても採用せざる負えない。

単なる賃上げによる人件費の上昇以上にコスト増が考えられるでしょう。

他産業や新卒は特に介護業界へ来なくなる

特に今の介護業界は国から出され続けている臨時ボーナス。

処遇改善加算によって大きく下支えされています。

介護=安い

のイメージは、介護福祉士の資格を取得してある程度経験を積むと処遇改善加算によりそれほど薄給という事は無くなりました。

むしろ女性だけで統計を見ると他産業から比べむしろずっとずっと給料が高いという所が現状です。

ただ、これに関してはある程度の経験年数や介護福祉士の取得が条件になってきますので新卒の未経験者や他産業からの無資格者はこの条件に乗るまでは処遇改善加算の恩恵を十分に受けられないため給料が低いと感じるでしょう。

この格差に関しては、他産業の新入社員給与と比べ、格差が大きくなり続ける。

わざわざずっとこの業界で働けるかわからない未経験者が数年間の薄給を覚悟して働くとは思えません。

まして、合格率8割といえど介護福祉士の取得が出来なければずっとこの薄給の可能性もありますからね…。

コンビニバイトとさほど変わらないかそれよりも低い介護職員を選ぶ人が今後一層少なくなってくるでしょう。

やりがいという一見きれいな言葉で誤魔化されがちですが実際に人の命、人生を扱う重圧を背負ってまでコンビニバイトと同じ給料を得たいと思う人は稀有な世の中になってきているのかもしれません。

国も介護職員の給与格差に動いた

光が見えない介護業界ですが、その中で急に光が輝き始めました。

それは臨時報酬改定。

上記で説明したとおり、介護報酬つまり私たちが稼ぎ出す収入を臨時で変更しますという流れになっています。

本来は3年に一度の改定ですが、今回は2026年の6月までに新たな報酬を決めて変更しますよっていう話みたいですね。

更に、医療分野の報酬と障害分野の報酬も同時に変更するという所で、現時点でも報酬が増える医療分野の項目、報酬が減る障害分野の情報が発表されています。

報酬改定がどれほどのものかによりますが、少なくとも現状のままであれば倒産、廃業する介護事業所が増え続けるのは間違いないでしょう。

その中で、これだけ介護業界が給与水準の低さを叫んでいる。

その穴埋めができるくらいの上乗せは期待したいところですが、なんとなく臨時報酬改定の全容が見え始めています。

2%アップで1.9万円の新たな処遇改善が検討されている

介護職員に関しては、処遇改善加算が新たに変更となり、従来よりも2万円近く多くもらえるよっていうものが発表されています。

2026年の6月からもらえる事業所はもらえるよっていうものになりますが、それでも全産業平均にはたどり着かないようですね。

ちょっと反側かなとは思いますが、実際にいくら介護報酬を引き上げればAIに聞いたところなのでせいかくかどうかはわかりませんが、

①40歳からみんなが払う介護保険料の支払額が1.5倍になる

②それに伴い、自己負担も1.5倍になる

③介護報酬は1.2倍の報酬単価

これが可能であれば8万円ほどの賃上げが可能になるという事ではありましたが、実際にこれを行うのは正直難しい所ですよね。

直近での介護報酬改定で1.59%上がって大喜びしている(訪問介護事業は大きな引き下げで廃業、倒産、休止に追い込まれている所が以前よりも多い状況)中で、20%の引き上げを行わなければいけない。

これから介護保険料を支払う現役世代が減り、介護サービスを受ける人が増えていく中で介護保険料の支払額が増えれば、手取りを増やすという国の政策に支障をきたすどころか、年収400万円の人で仮定したにしても、年間30万円ちょっとだった介護保険料が約50万円の支払いとなる。

手取りを20万円上げてもトントンになる計算ですね。

とてもではないですが、難しい計算になるのではないかなと思います。

さらに言えば、これは今現在の状態での試算。

人口減少と高齢化を考慮すれば更に上がるでしょう。

独身勢と揶揄されている子ども・子育て支援金も始まることですし…。

好景気を耐え、デフレに戻れば介護業界は再び活気を取り戻す

日本という国にとっていいのか悪いのかはわかりませんが、20年以上にわたり、介護業界を支えて
きた【公式】ケアマネ介護福祉士は数多くの経験をしています。

過去の経験から言うと、不況やデフレになった時に介護業界は人手が復活します。

先ほども申しあげたとおり、給与が介護報酬で決まってくるので景気に左右されません。
ゆえに景気が悪くなると介護業界は盛り上がる。

それまでこのインフレをどう乗り越えていくかという所でしょう。

もちろん、国も今回のインフレや物価高騰に介護業界が耐え切れない。

誰も働かなくなっては日本に未来はない。

そう判断し、臨時の改定を行うわけですから今回は国も本気です。

選挙も終わり、国民が選んだ人たちが医療、介護、障害という第二のインフラを継続しながら日本の所得を上げていくであろう内閣の動向に注目です。

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

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