3年連続の居住支援特別手当2万円は全額もらえる。東京近隣の事業所は閉鎖へまっしぐら

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!

ご感想をお待ちしております。

そんな連載46回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

東京都は1月30日に来年度予算案を公表した。今月に開会する予定の都議会へ提出する。【Joint編集部】

都は今回の予算案で、介護職の賃上げに向けた独自の手当を来年度も継続する方針を打ち出した。

「居住支援特別手当」という名目で、賃上げに必要な原資を事業所・施設に支給する事業(介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業)。2024年度から実施されてきたもので、このまま予算が成立すれば来年度で3年目を迎えることになる。

施策の背景にあるのは、生活に重くのしかかる家賃や物価などの高さだ。国の公定価格では賄いきれない都内の生活コストをカバーし、人材の確保・定着につなげる狙いがある。都は政府に介護報酬の引き上げなどを求めつつ、「国が十分な賃上げを行うまでの間は対策が必要」として手当を始めた経緯がある。

予算案には今年度と同額の285億円を計上。来年度もこれまでと同じスキームで手当を支給したい考えだ。

対象は、都内の事業所・施設に勤務する介護職員とケアマネジャー。支給額は月額1万円で、勤続5年目までの介護職員にはさらに1万円が加算される(計2万円)。補助率は10分の10。

◆ 居宅介護支援への支援を拡充

都はこのほか、来年度の予算案で居宅介護支援事業所への支援策の拡充を図った。

ケアマネジャーの負担軽減に向けて、事務職員の雇用経費を補助する既存の事業(居宅介護支援事業所事務職員雇用支援事業)は来年度も継続する。支給対象は事務職員1名分で、補助基準額は260万円、補助率は4分の3となっている。
都はそのうえで、事業所の経営改善につながる取り組み、利用者確保のPRなどにかかる経費も来年度から新たに補助の対象とする方針。予算額を今年度の6億円から11億円に積み増し、事業の名称も「居宅介護支援事業所経営改善等支援事業」に改める。

支援策の詳細が明らかになるのは予算の成立後。都は準備が整い次第、速やかに公式サイトなどで事業所向けにアナウンスする予定。

(引用介護joint)

3年連続の介護業界へ投じる現金投入の概要

今回で3年連続3回目になる東京都の現金給付。

概要をさらっと説明すると

①職員一人当たりに1~2万円の補助金を国が事業所へ振り込む

②対象の事業所は東京都の事業所

③1万円の使い道は全て給与に使わなければならない

④社会保険料負担分等はどうするか明記されていない

⑤配り方は一括だろうが月々だろうが自由

⑥真性制度なので、申請していない事業所はもらえない

こんなところでしょうか?

基本的に全額支給しなければいけないので中抜きは出来ないけれど、それによる社会保険料増加分は会社がどう使おうと自由といったジレンマで、
「1万円じゃなく9000円なにがししかもらえないじゃないか!これはもしかして中抜きしてるのか!」

と職員からクレームが来そうなシステム。

社会保険料の増加分を会社が負担しなければならないのであれば開き直って補助金をもらわないっていう選択肢を取る事業所もあるかもね?

っていう構造です。

処遇改善加算も同様で法定福利費の増加分に費用を充てることが認められているのですが、処遇改善よりもわかりやすく一人1万円。

長く働いている人は2万円という数字を打ち出しているので社会保険料増加分を引いた金額を出すと中抜きを疑われそうなスキーム。

苦労して申請書類を作って給料上げたのに職員の満足度が下がるなんて可能性も…。

と思っていましたが、この辺は流石東京都って感じですね。

しっかりと手を打っているという所になります。

社会保険料増加分+事務費も支給してきっちりほぼ1万円or2万円もらえる

この辺は流石東京都知事わかってらっしゃるねっていう印象。

1万円の他に申請すると事務費及び社会保険料の増加分として1500円を支給するんですね。

これは大きい。

正直なところ、低所得の部類に入る介護業界で1500円の補助金があれば負担分はほとんどの人がカバーできる。

一部の給料が高い人だけがちょっとだけ減るか、あるいは会社が負担してもいいかなっていう金額になるでしょう。

まあ事務員の余計な仕事を増やすことにはなるでしょうけど…。

事務負担が増えても多少の赤字をかぶってでも申請しなければいけない経営側

間違いなく事務員の仕事を大きく増やす作業ですし、小さな会社は社長さんが寝ないで申請書を作る。

それも難しければ費用を出して行政書士に申請書の作成代行をお願いすることになります。

つまり、事業所側としては手間しかないのでやりたくないっていうところが本音でしょうがそんなわけにはいきません。

なぜなら

「うちは給料2万円高いよ?」

みたいな事業所に職員が集まるのは当たり前なので、給与負けして人材確保が困難になるリスクを考慮すると申請しなければならないでしょう。

一時的な手間を嫌って他の事業所より2万円低い給与体系で運営していけばいずれは職員不足となり派遣やスポットバイトに高い給与を支払うことになるでしょう。

長期的に見れば、余計に支出が増えるのが予見されます。

さすがにこの見通しが立てられない事業所は今後どのみちこの介護業界で長く運営することは難しいでしょうからいずれは無くなるのかもしれませんが…。

企業の死期を早める選択肢、成長を大きく阻害する可能性があるという所でしょうね。

3年連続支給で東京都の介護業界における人材確保の本気度が表れている

3年連続ともなると一時的な施策ではなく恒久的に行うのだろうか?

恒久的に出すという事は東京都知事が本気で介護業界にテコ入れを続けてくれる。

介護業界のことを思っている。

そう捉えてもやぶさかではないのかなと思う所ですね。

東京都知事としても、高齢者と介護従事者から支持を得られるわけですし…。

ただ、その反面、この交付金により地獄を見る事業所が出てくるのも事実ですね。

東京近隣の事業所は人材確保が困難に

東京が3年連続で介護職員やケアマネに対して交付金を付けられ、東京の事業所で働けば補助金のおかげで給料が2万円高い。

そんな状況になるでしょう。

1年限りの補助金だったのであればあまり気にしていなかった東京近隣の介護職員もいよいよ3年連続となれば色めき立つでしょう。

年間24万円の給与アップ。

年収1000万円の人が24万円アップでは動かないかもしれませんが、介護業界の平均給与を考えるとこの24万円アップは相当大きいもの。

介護職員は東京近郊に住んでいるのであれば東京の事業所へ転職するでしょう。

そうなればギリギリ東京から外れた周辺地域は介護職員の流出が止まらない。

近隣ではすでに危機的状況を予見

2024年の手当発表時、埼玉県の大野知事や神奈川県の黒岩知事、千葉県の熊谷知事らは一斉に懸念を表明しました。

「隣でこれやられたら、うちの県から人がいなくなる」と不安を吐露していた所でしたがとうとう3年連続。

東京近郊も本気で対策を打たなければいけなくなってきている時期でしょう。

対策といっても方法は一つしかないでしょう…。

東京と同じく給付をするしかないけど…

もちろん一番の対策は同等の金額あるいは出遅れた分を巻き返すためにそれ以上の金額を補助するしかないでしょう。

ただ、こんなお金積みゲームとなればどちらに軍備が上がるかは明白。
予算が潤沢な東京都が上回るのは目に見えているでしょう。

ただ、負け戦となるにしても対抗策は打ち出さなければならない。

埼玉、神奈川、千葉は対岸の火事ではなく、今まさに東京都によって火を放たれ、着実に燃え上がっている状態。

手をこまねくのではなく、少しでも消火活動をしなければいけない。

その限りある消火水という財源をどこから持ってくるかという所ではないでしょうか?

人材不足は何も介護だけじゃない

更に近隣の都道府県を悩ませる問題は、何も人材不足は介護業界だけじゃないという所ですね。

【公式】ケアマネ介護福祉士も副業をいくつかやっているのでわかりますがどこも人手不足な世の中です。

飲食業界は特に人材不足のイメージで、最近は最低賃金が上がったことも影響しているのかアルバイトですら介護業界で働く人たちより時給が高いなん
ていう所もチラホラ見えてきています。

値上げが容易ではない介護業界において収入を増やし、職員の給料を上げるというのは容易ではありません。

その中で、こういった補助金を取り逃し続けた事業所は潰れ、更に集約型となってくる。

東京の勝ち組企業が残り、東京近郊と都内の負け組企業が相次いで倒産。

東京近郊は介護事業所が無くなり、介護サービスを受けるために東京へ転居なんて言う事態にもなりかねませんね。

そうなれば不動産、小売り、飲食といずれ潰れていく。

高齢者の介護だけではなく、関連していないように思える産業にまで大きなダメージとなるでしょう。

悲しい話ではありますが、今の日本でしっかりとお金を持っている多くは高齢者。

その高齢者が、介護サービスを受けられないから東京へ仕方なく移住。

そんな未来も目前となりつつあるのかもしれません。

更に東京は事務職の雇用も生むだけじゃなく、宣伝広告費も出す
更に今回発表されたケアマネ(居宅支援事業所)へ事務職等を配置する補助金。

2024年から事務職を配置した場合最大260万円を補助するよっていうものでしたが、今回2026年からは事業所のPRに関わる経費も補助の対象という事でした。

具体的に言えば

・ホームページの作成・改修費

○スマートフォン対応の採用・集客サイトの構築。
○「空き情報」をリアルタイムで発信できるシステムの導入。

・パンフレット・チラシの制作・ポスティング費用

○近隣住民や地域包括支援センターに向けた、自所の強み(特定疾患に強い、土日対応可など)を周知するための印刷・配布費用。

WEB広告・地域限定のSNS広告

○「地域名+ケアマネ」などで検索した際に表示される広告(リスティング広告)の運用。

地域交流イベントの開催費用

○住民向けの介護相談会や健康セミナーを開催し、事業所の認知度を高めるための会場費や備品代。

営業ツール(ノベルティ等)の作成

○医療機関や他事業所へ挨拶に行く際に持参する、事業所名入りの実用的な広報物の制作。

という具合らしいですね。

なぜこれらの予算が必要なのかという所ですが、基本的に居宅支援事業所(ケアマネ)は赤字部門であり、もともと収益が取れないことも大きいです。

特に東京都は自宅兼事務所を許さない場所が多いため、田舎であるあるの自宅で一人ケアマネをやっています系の方々がいない。

事務所を借りてまでケアマネという事業をやるためにはそれなりの初期費用と利用者さんの数、何よりもケアマネの確保が必須になります。

実際に【公式】ケアマネ介護福祉士も新規エリアを開拓しなくてはいけなかった時期は夜な夜な無料ソフトを使って事業所のチラシを作成していました。

センスは皆無であり、見た目は悪いものの自分で作れたので経費は印刷にかかるものと【公式】ケアマネ介護福祉士の実働時間くらい。

これが平均年齢60歳に到達しようかという介護業界において自身でできる人たちはあまりいないのでしょう。

さらに、平均年齢が高すぎるがゆえに定年退職が間もなくという人材を常に獲得し続けなければいけないにもかかわらずケアマネの有効求人倍率は2倍。

事業所のPRをし続けなければ肝心のケアマネがいなくて事業所閉鎖なんてこともざらにあるでしょう。

介護業界においてヘルパー事業所に次ぐ高齢者が働いているケアマネの事業所がホームページとSNSを駆使して職員を確保するというのはすごく難しい。

自分たちでは出来ないけど、外注に出すその費用も捻出できない。

そんなところを今回は補助したという所ですね。

特に、リスティング広告に関しては比較的若い年齢層のケアマネだけをターゲットにすることも可能であり、ケアマネの若返りも図れる可能性がある。

東京都にとってもケアマネ業界にとっても成功すれば人材獲得の新たな手法としてケアマネ業界に旋風を巻き起こす可能性もあります。

介護業界への補助が他産業も潤わせる仕組みづくり

この補助金を考えた人はやり手だなと思う部分ですが、介護業界へ出した補助金ではあるものの、パンフレット作製やホームページ構築、リスティング広告運用に使うという事で、印刷業、デザイナー業、ウェブ保守業、コンサル業と多岐に好影響がもたらされるwinwinの補助金となっている形ですね。

賛否はあるにしろ、全額補助となれば粗悪なコンサル業がはびこりそうな所ですが実費をある程度課すことにより粗悪な事業所ではなくしっかりと仕事をしてくれるかどうかをケアマネの事業所が監視することとなります。

本当に東京都の補助金構築のチームは介護業界のことを知りつつも他産業への影響も考えている。

あとはこの補助金を多くの事業所が申請するように普及活動をどう行っていくかという部分でしょう。

【公式】ケアマネ介護福祉士的に本来国がやるべき施策を東京で独自に行っているこのいびつな状況

本来はこういった施策を国が取り組むべきであるにもかかわらず、東京が独自に行っているというこのいびつな状況。

東京都知事の評判は上がり、近隣市町の長は苦言を呈し、国への信頼が失われる。
国政にも大きな動きがあったこのタイミングで厚労省も新たな抜本的改革を行ってくれることを願います。

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