介護のモニタリングとは、ケアプラン(居宅サービス計画)が計画どおりに実施され、効果が出ているかを確認する工程です。ケアマネジメントの大切な仕事です。この記事は、ケアマネジャーや介護現場で働く人に向けて書いています。ケアマネジメントでの位置づけ、実施頻度のルール、確認する項目、2024年度改定で可能になったテレビ電話の活用まで、2026年6月時点の情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護のモニタリングとは何か(ケアマネジメントでの位置づけ)
- 居宅介護支援でのモニタリングの実施頻度(月1回の訪問・面接)
- モニタリングで確認する具体的な項目
- 2024年度改定で可能になったテレビ電話を活用したモニタリング
- 施設・介護予防支援・障害福祉サービスとの違い
介護におけるモニタリングとは?
モニタリングとは、ケアプランが計画どおりに実施され、利用者の状態に合っているかを継続的に確認することです。ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成したケアプラン(居宅サービス計画)について行います。運営基準でも「居宅サービス計画の実施状況の把握」と定義されています。
ケアマネジメントは、次の流れで進みます。インテーク(相談受付)→アセスメント(課題分析)→ケアプラン作成→サービスの実施→モニタリングです。必要があれば再アセスメントを行い、プランを見直します。モニタリングは、立てた計画が「絵に描いた餅」で終わらないよう、現場の実態をチェックする役割を担います。
モニタリングはPDCAサイクルの「C(評価)」
モニタリングは、PDCAサイクルの「Check(評価・確認)」にあたります。PDCAサイクルとは、計画・実行・評価・改善を繰り返して質を高める考え方です。当てはめると、ケアプラン作成が「Plan(計画)」、サービスの実施が「Do(実行)」、モニタリングが「Check(評価・確認)」、見直し(再アセスメント・計画変更)が「Action(改善)」です。モニタリングで把握した状況を次のプランに活かすことで、ケアの質を高めていきます。
居宅介護支援でのモニタリングの実施頻度
居宅介護支援では、モニタリングの頻度がルールで定められています。居宅介護支援とは、在宅でケアマネジャーがケアプランを作成するサービスです。
厚生労働省の基準では、頻度と記録が次のように決まっています。特段の事情がない限り、少なくとも1か月に1回は利用者の居宅を訪問して面接します。さらに少なくとも1か月に1回はモニタリングの結果を記録します。原則として、面接は利用者宅を訪問して行います。記録した内容は2年間保存する必要があります。
ここでいう「特段の事情」とは、利用者側の事情で訪問・面接ができない場合を指します。ケアマネジャー側の都合は含まれません。該当する場合は、その具体的な理由を記録します。
モニタリングで確認する項目
モニタリングでは、おもに次の5点を確認します。
- 目標の達成状況:ケアプランで設定した目標に近づいているか。
- サービスの実施状況と効果:計画どおりにサービスが提供され、効果が出ているか。
- 利用者の心身の変化:ADL(日常生活動作)や認知機能、健康状態に変化はないか。
- 利用者・家族の満足度や要望:今のサービスに満足しているか、新たな希望はないか。
- 新たな課題やニーズ:生活環境や家族の状況が変わり、計画の見直しが必要になっていないか。
確認した結果、課題や変化が見つかれば、再アセスメントを行ってケアプランを修正します。モニタリングは、利用者の「今」に合ったケアを続けるための要(かなめ)です。
テレビ電話を活用したモニタリング(2024年度改定)
2024年度改定で、一定の条件を満たせばテレビ電話を活用したモニタリングができるようになりました。従来、居宅介護支援のモニタリングは毎月の居宅訪問が原則でした。2024年度(令和6年度)の介護報酬改定で、テレビ電話装置などを活用したモニタリングが認められました。
具体的には、要件を満たす場合、少なくとも2か月に1回は利用者宅を訪問して面接すれば、訪問しない月はテレビ電話などで面接できます。おもな要件は次のとおりです。
- テレビ電話などでの面接について、文書で利用者の同意を得ていること。
- サービス担当者会議などで、主治医やサービス事業者の合意を得ていること(利用者の状態が安定している、テレビ電話で意思疎通ができる、画面で確認できない情報は事業者から提供を受ける、など)。
テレビ電話の操作は、家族などの介助者が行っても問題ありません。一方で、ケアマネジャーが行うアセスメント(課題分析)は、オンラインでの実施が認められていません。オンラインで可能になったのは、あくまでモニタリングの一部です。ここは注意しましょう。なお、ケアマネジメントの実施状況などを集めて分析する科学的介護情報システム「LIFE」(介護データを国に提出し分析に活かすシステム)でも、こうしたPDCAの考え方が重視されています。
施設・介護予防支援・障害福祉での違い
モニタリングの頻度は、サービスの種類によって異なります。居宅・介護予防・施設で次のように分かれます。
| サービス | 面接・訪問の頻度(原則) |
|---|---|
| 居宅介護支援(要介護) | 少なくとも月1回、利用者宅を訪問して面接(記録も月1回) |
| 介護予防支援(要支援) | 少なくとも3か月に1回、利用者と面接(記録は月1回) |
| 施設サービス(特養など) | 定期的に入所者と面接し、少なくとも3か月ごとに実施 |
施設では日常的に入所者と接します。そのため、居宅サービスほど訪問頻度のルールは細かくありません。
また、障害福祉サービス(相談支援専門員が作成するサービス等利用計画)のモニタリングは、しくみが異なります。介護保険のように「月1回」と固定されていません。市町村が利用者ごとにモニタリング期間(毎月、3か月ごと、6か月ごとなど)を設定します。状態が不安定な人ほど頻度は高く設定されます。
モニタリング記録の書き方と記載例
モニタリングは「実施したこと」だけでなく「記録に残すこと」までが仕事です。運営基準でも月1回の記録が求められます。ここでは、確認項目に沿った書き方の型と、そのまま使える記載例を紹介します。
記録に入れる基本項目
記録には、最低限つぎの内容を入れると、運営指導でも説明しやすくなります。
- 実施日・実施方法(訪問/テレビ電話)・面接した相手
- 各目標の達成状況(できている/一部/未達)
- サービスの実施状況と効果、利用者・家族の声
- 心身の変化や新たな課題の有無
- ケアプラン継続か見直し(再アセスメント)かの判断
そのまま使える記載例
「歩行の自立」を目標にした要介護2の利用者を例にした記載例です。
- 実施:2026年6月10日、利用者宅を訪問し本人・長女と面接。
- 目標の達成状況:屋内の伝い歩きが安定。週2回の通所リハを継続中で、目標に向け改善傾向。
- 本人・家族の声:本人「トイレまで一人で歩けて自信がついた」。長女「夜間の見守り負担が減った」。
- 変化・新たな課題:入浴時のふらつきあり。浴室手すりの追加を検討。
- 判断:現行プランを継続。次回サービス担当者会議で福祉用具の追加を相談。
「特段の事情」で訪問できなかった月は、理由を具体的に書きます。例として「本人が感染症罹患のため訪問を控え、電話で状況を確認」などです。ケアマネジャー側の都合は「特段の事情」に当たらない点に注意します。
運営指導で指摘されやすいNG例
- 毎月コピーのような同じ文面で、状態の変化が読み取れない
- 「変化なし」だけで、確認した項目や根拠が書かれていない
- 訪問・記録が月1回の頻度を満たしていない、記録の保存(2年間)ができていない
- テレビ電話の月なのに、文書同意や担当者会議の合意の記録がない
よくある質問(FAQ)
Q. ケアマネのモニタリングは月に何回必要ですか?
A. 居宅介護支援では、特段の事情がない限り、少なくとも月1回は利用者宅を訪問して面接し、月1回はモニタリング結果を記録する必要があります。
Q. モニタリングはオンライン(テレビ電話)でもできますか?
A. 2024年度改定で、文書による同意や担当者会議での合意など一定の要件を満たせば可能になりました。ただし2か月に1回は居宅訪問が必要で、アセスメントはオンライン不可です。
Q. モニタリングとアセスメントは何が違いますか?
A. アセスメントはケアプランを作る前に課題を分析する工程、モニタリングはプラン実施後に状況を確認する工程です。確認した結果、必要があれば再アセスメントを行います。
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まとめ
介護におけるモニタリングとは、ケアプランが計画どおりに実施され、効果が出ているかを継続的に確認する工程です。PDCAサイクルの「Check(評価)」にあたります。居宅介護支援では原則として月1回の居宅訪問・面接と記録が必要です。2024年度改定からは、一定の要件のもとでテレビ電話を活用したモニタリングも可能になりました。利用者の「今」に合ったケアを続けるために欠かせない、ケアマネジャーの重要な仕事です。
「ケアマネジャーとして働きたい」「介護の現場で経験を活かしたい」という方は、お気軽にご相談ください。
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