要介護度とは?要支援と要介護の違い、認定方法、介護度別に利用できる介護保険サービスを分かりやすく解説!

要介護とは?区分、認定方法、利用できる介護保険サービスついて解説

ご自身や親族に介護が必要になったときに介護保険サービスについて調べていると、「要介護度」という言葉を目にすることが多いはずです。では、要介護度とは一体どんなものなのでしょうか?

今回は、要支援と要介護の違いや、要介護度の認定方法、介護度別に利用することのできる介護保険サービスについて分かりやすく解説します。

要介護度とは

要介護度とは、高齢者が身の回りのことや生活に必要な家事に支援が必要になったとき、または寝たきりや認知症となり介護が必要となったときに、その程度を表すための認定指標(介護レベル)です。

要介護認定はお住まいの市町村に設置された介護認定審査会(※1)で判定され、自立、要支援1~2、要介護1~5の8段階に分かれており、要支援の方は介護予防サービス、要介護の方には介護サービスと、段階に合わせて必要な支援を受けることができる仕組み(※2)となっています。

(※1)介護認定審査会とは
介護認定審査会とは意思決定の場として、市町村の認定調査員(もしくは委託を受けた居宅介護支援事業所の介護支援専門員)や主治医が申請者から得た情報から、通常の例と比較して申請者に対する介護の場合はもっと時間が必要ではないか、現状正しく介護が提供されているかなどを踏まえて、一次判定を修正・確定することができる会です。
(※2)介護度により受けるサービスについて
要支援2と認定された方は一部の介護サービスを、要介護1と認定された方は一部の介護予防サービスを利用することも可能です。

自立、要支援、要介護の状態について段階ごとに詳しく見ていくとともに、大阪府堺市が紹介している要支援・要介護度の状態像の目安を紹介します。

自立

自立とは、歩行や起き上がりなどの日常生活における基本的な動作を自分一人で行うことが可能で、服薬や電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態のことです。

自立と認定された場合は、介護保険を利用してサービスを利用することはできません。

要支援1

要支援1とは、日常生活上の基本的動作についてはほぼ自分で行うことが可能であるものの、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により、要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態のことです。

日常生活の能力は基本的にあるものの、入浴などに一部介助を必要とする状態

要支援2

要支援2とは、要支援1と同様に現在は基本的な動作についてほぼ自分で行うことが可能であるものの、要介護状態となることの予防に資する支援が必要な状態です。

立ち上がりや歩行が不安定で、排泄や入浴などで一部介助を必要とするものの、適切なサービスを利用することで要介護状態に移行することを防ぐことができる可能性がある状態

要介護1

要介護1とは、日常生活動作についてはほとんど自分一人で行うことが可能であるものの、要支援の状態から手段的日常生活動作を行う能力が更に低下し、一部介護が必要であると判断された状態のことです。

立ち上がりや歩行が不安定で、排泄や入浴などで一部介助が必要

要介護2

要介護2とは、要介護1の状態に加えて、日常生活動作についても部分的な介護が必要と判断された状態のことです。

起き上がりが自力では困難で、排泄や入浴などで一部または全介助が必要な状態

要介護3

要介護3とは、要介護2の状態と比べて、日常生活動作と手段的日常生活動作の両能力が著しく低下し、ほぼ全面的に介護を必要すると判断された状態のことです。

起き上がりや寝返りが自力では出来ず、排泄や入浴、衣服の着脱などで全介助が必要な状態

要介護4

要介護4とは、要介護3の状態に加えて、更に日常生活動作と手段的日常生活動作の両能力が低下し、介護なしでは日常生活を送ることが困難と判断された状態のことです。

排泄や入浴、衣服の着脱など多くの行為で全面的な介助が必要な状態

要介護5

要介護5とは、要介護4の状態から更に日常生活動作と手段的日常生活動作の両能力が低下し、介護なしでは日常生活を送ることがほぼ不可能であると判断された状態のことです。

生活全般について全面的な介助が必要な状態

要介護認定の流れ・認定方法

では、要介護認定を受けるためには何をすれば良いのでしょうか。要介護認定の流れと、その認定方法について詳しく見ていきましょう。

1.市町村窓口に申請

要介護認定を受けるためには、まずお住まいの市町村窓口に申請する必要があります。介護保険サービスの利用を希望する本人が入院中など、申請することが難しい場合は親族が代理で申請することが可能です。

親族による代理申請も難しい場合は居住する地域の地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、介護保健施設のいずれかの職員が代理申請を行います。

申請時には「介護保険被保険者証」が必要となるため予め準備しておく必要があります。

2.認定調査

市町村の認定調査員もしくは市町村から委託を受けた居宅介護支援事業者の介護支援専門員(ケアマネジャー)が認定調査に訪れます。この認定調査では、利用を希望する方の心身の状態を確認するための聞き取り調査です。

調査郡 項目
身体機能・起居動作
  • 麻痺等の有無
  • 拘縮の有無
  • 寝返り
  • 起き上がり
  • 座位保持
  • 両足での立位保持
  • 歩行
  • 立ち上がり
  • 片足での立位
  • 洗身
  • つめ切り
  • 視力
  • 聴力
生活機能
  • 移乗
  • 移動
  • 嚥下
  • 食事摂取
  • 排尿
  • 排便
  • 口腔清潔
  • 洗顔
  • 整髪
  • 上衣の着脱
  • ズボン等の着脱
  • 外出頻度
認知機能
  • 意思の伝達
  • 毎日の日課を理解
  • 生年月日や年齢を言う
  • 短期記憶
  • 自分の名前を言う
  • 今の季節を理解する
  • 場所の理解
  • 徘徊
  • 外出すると戻れない
精神・行動障害
  • 物を盗られたなどと被害的になる
  • 作話
  • 泣いたり笑ったりして感情が不安定になる
  • 昼夜の逆転がある
  • しつこく同じ話をする
  • 大声を出す
  • 介護に抵抗する
  • 「家に帰る」等と言い落ち着きがない
  • 一人で外に出たがり目が離せない
  • 色々なものを集めたり無断で持ってくる
  • 物を壊したり衣類を破いたりする
  • ひどい物忘れ
  • 意味もなく独り言や独り笑いをする
  • 自分勝手に行動する
  • 話がまとまらず会話にならない
社会生活への適応
  • 薬の内服
  • 金銭の管理
  • 日常の意思決定
  • 集団への不適応
  • 買い物
  • 簡単な調理
過去14日間に受けた特別な医療について
  • 点滴の管理
  • 中心静脈栄養
  • 透析
  • ストーマ(人工肛門)の処置
  • 気管切開の処置
  • 疼痛の看護
  • 経管栄養
  • モニター測定(血圧・心拍・酸素飽和度等)
  • 褥瘡の処置
  • カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマ等)

参考:厚生労働省「要介護認定 認定調査員テキスト2009改定版」令和3年4月

3.一次判定

認定調査の結果と主治医の意見書に基づき、コンピュータによる一次判定を実施します。

一次判定は客観的で公平な判定となるように、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護療養型医療施設等の施設に入所されている3,500人の高齢者に対し、48時間にわたりどのような介護サービスがどのくらい提供されたかを調査した「1分間タイムスタディ・データ」から、対象者に対してどの程度の介護サービスが必要かを判断します。

4.二次判定

一次判定の結果と主治医の意見書に基づき、保健・医療・福祉の学識経験者により構成される「介護認定審査会」が開かれ、二次判定を行います。

5.認定結果の通知と被保険者証の送付

介護認定審査会で決定した認定結果と被保険者証が申請者のもとへ送付されます。この時点で介護度が分かり、介護保険サービスの利用ができる状態となります。

介護度別に利用することができる介護保険サービスとは

介護保険サービスを利用する場合、まずは居宅介護支援を利用して担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)にケアプランを作成してもらいます。ケアプランとは、目標を立て、どのサービスをどれくらい利用するか決めるものです。

サービスを利用する方の介護度が要支援の場合は「予防給付」、要介護の場合は「介護給付」に該当するサービスを受けることができます。サービスの形態ごとに、その概要と利用可能な介護度について見ていきましょう。

訪問サービス

サービス 概要 利用可能な介護度
訪問介護 利用者の自宅等をヘルパーが訪問し、身体介護と生活援助を受ける
  • 要介護1~5
訪問入浴 利用者の自宅等を看護職と介護職が訪問し、入浴介助を受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
訪問看護 利用者の自宅等を看護職が訪問し、医師の指示に基づいた療養の世話と診療の補助を受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
訪問リハビリ 利用者の自宅等を理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が訪問し、リハビリを受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
夜間対応型訪問介護 18~翌8時に利用者の自宅等をヘルパーが訪問し、安否確認や身体介護を受ける
  • 要介護1~5
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 24時間365日必要なタイミングで利用者の自宅等をヘルパーが訪問し、身体介護と生活援助を受ける
  • 要介護1~5

通所サービス

サービス 概要 利用可能な介護度
通所介護(デイサービス) 日中自宅から事業所に通い、必要な生活支援やリハビリを受ける
  • 要介護1~5
通所リハビリ(デイケア) 日中自宅から老健や病院などの施設に通い、リハビリを中心とした支援を受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
地域密着型通所介護 利用者定員が19人未満の小規模型のデイサービス
  • 要介護1~5
療養通所介護 看護師の観察を必要とする高齢者等が施設に通い生活支援やリハビリを受ける
  • 要介護1~5
認知症対応型通所介護 認知症の方が利用するデイサービス
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5

短期間宿泊サービス

サービス 概要 利用可能な介護度
短期入所生活介護(ショートステイ) 特養などの施設が高齢者等を短期間(連続利用30日まで)宿泊し介護を受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
短期入所療養介護 老健などの施設が高齢者等を短期間(連続利用30日まで)宿泊し療養の世話やリハビリを受ける
  • 要介護1~5

訪問・通所・短期宿泊の組み合わせサービス

サービス 概要 利用可能な介護度
小規模多機能型居宅介護 通所を中心に短期宿泊や自宅への訪問を組み合わせ生活支援やリハビリを受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
看護小規模多機能型居宅介護 通所を中心に短期宿泊や自宅への訪問を組み合わせ介護と看護一体のサービスを受ける
  • 要介護1~5

施設サービス

サービス 概要 利用可能な介護度
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 要介護度が高い方が入所し身体介護や生活支援、リハビリなどを受ける
  • 要介護3~5
介護老人保健施設 在宅復帰を目指す方が入所し、リハビリを中心とした医療・介護を受ける
  • 要介護1~5
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等) 指定を受けた有料老人ホームに入居し、身体介護や生活支援、リハビリを受ける
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
介護医療院 長期療養が必要な方が入所し、介護と看護一体のサービスを受ける
  • 要介護1~5
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 認知症の方が入所する定員が9人以下の小規模な施設で、身体介護や生活支援を受ける
  • 要支援2
  • 要介護1~5
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 入所定員が30人未満の特別養護老人ホーム
  • 要介護1~5
地域密着型特定施設入居者生活介護 入所定員が30人未満の特定施設入居者生活介護
  • 要介護1~5

福祉用具

サービス 概要 利用可能な介護度
福祉用具貸与 自宅で生活するにあたり適切な福祉用具を借りることができる
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5
特定福祉用具販売 自宅で生活するにあたり適切な福祉用具を購入することができる
  • 要支援1~2
  • 要介護1~5

参考:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「公表されているサービスについて」

まとめ

要介護認定を受けると、介護保険を利用してサービスを受けられるようになります。

あなたやあなたの家族に介護が必要になったときに「自宅で家族が介護する」という選択肢だけでなく、介護保険サービスを利用してプロの介護を受ける、介護負担を減らすということができるよう、要介護認定制度を正しく理解しておきましょう。

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