介護職を辞めたいと思ったら|よくある理由と対処法、後悔しない辞め方

「介護職を辞めたい」と感じるのは、あなただけではありません。公益財団法人介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査によると、介護職員の離職率は12.8%で、2年連続で低下しています。それでも一定数の人が、理由を抱えながら働き続けているのが実情です。

この記事は、介護職を辞めたいと感じている人に向けた解説です。よくある理由と原因別の対処法、辞めるか続けるかを判断する軸、後悔しない辞め方、辞めた後の選択肢までを整理します。

読み終えたときに、今の自分がどう動けばよいかが具体的に分かる構成にしています。

介護職を辞めたいと感じる主な理由

同調査では、離職理由の上位に次の項目が挙がっています。

  • 職場の人間関係に問題があった(24.7%)。なかでも「上司や先輩からの指導や言動がきつかった、パワーハラスメントがあった」が最も多い具体的内容です
  • 他に良い仕事・職場があった(18.5%)
  • 勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があった(17.6%)

このほか、腰痛など身体的な負担、夜勤を含む不規則な勤務、給与への不満、将来性への不安なども、現場でよく聞かれる理由です。まずは自分が辞めたい理由がどれに近いかを、紙に書き出して整理してみましょう。理由が明確になるほど、次に取るべき対処法も見えてきます。

辞める前にできる対処法(原因別)

人間関係が理由の場合

最も多い離職理由である人間関係は、同じ職場内の異動やシフト調整で改善することがあります。まずは直属の上司ではなく、施設長や人事、相談窓口など、別のルートに相談できないか確認してください。

ハラスメントに該当する言動を受けている場合は、日付・内容・相手を記録に残しておくことが重要です。事業所内の相談窓口で解決しない場合は、都道府県の労働局が設けるハラスメント相談窓口も利用できます。

身体的な負担(腰痛など)が理由の場合

移乗介助などによる腰痛は、介護職の離職理由として根強く挙がります。ボディメカニクス(身体の使い方)の研修を受けているか、リフトやスライディングシートなどの福祉用具が現場で実際に活用されているかを確認しましょう。

用具はあっても使われていない職場は少なくありません。使い方の勉強会を提案する、産業医や整形外科で早めに相談するなど、悪化する前の対応が長く働き続けるための鍵になります。

給与・待遇が理由の場合

処遇改善加算の対象職種か、加算が実際に自分の給与へ反映されているかを、給与明細や就業規則で確認してください。同じ介護福祉士でも、施設形態や地域、加算の取得状況によって給与差が生まれます。

今の職場で改善を交渉する余地がない場合は、資格や経験を正しく評価してくれる転職先を探すことも現実的な選択肢です。

将来性が理由の場合

「この先もこの仕事を続けられるか」という不安は、キャリアパスが見えない職場ほど強くなります。介護福祉士からケアマネジャーや生活相談員へ進む道、管理職を目指す道など、複数のキャリアパスがあることを知っておくと視野が広がります。

「介護職に向いていない」と感じたときの判断軸

一時的な疲れやトラブルによる「辞めたい」気持ちと、仕事の本質的な部分が合わない「向いていない」感覚は分けて考える必要があります。次のような状態が続く場合は、慎重な判断が必要です。

  • 特定の業務ではなく、介護という仕事そのものに強い苦痛を感じる
  • 体調不良(不眠・食欲不振など)が数週間以上続いている
  • 職場を変えても同じ悩みを繰り返している

一方で、特定の職場・人間関係・条件が原因であれば、転職によって解決できる可能性が高いといえます。

辞めるかとどまるかを判断するチェックリスト

次の項目に当てはまる数が多いほど、転職を具体的に検討する時期といえます。

  1. 今の職場に相談しても状況が半年以上変わっていない
  2. 心身の不調が仕事以外の時間にも影響している
  3. 資格や経験に見合う評価・給与が得られていないと感じる
  4. 同じ悩みを繰り返し、改善の見通しが立たない

後悔しない辞め方|円満退職の進め方

退職を伝えるタイミング・伝え方

就業規則で定められた退職の申し出期限(一般に1ヶ月前が目安)を確認し、余裕を持って直属の上司に伝えます。感情的な不満を並べるのではなく、退職の意思と時期を簡潔に伝えることが、円満な引き継ぎにつながります。

引き継ぎのポイント

担当していた利用者のケア内容、家族との連絡事項、加算に関わる記録類は、後任が困らないよう具体的に書面で残しておきましょう。丁寧な引き継ぎは、退職後に前職からの紹介や再就職の際の評価にもつながります。

辞めた後の選択肢|介護業界に残る・離れる

職場を変えて介護を続ける

人間関係や運営方針が理由だった場合は、事業所の規模や理念、加算の取得状況が異なる職場に移ることで、同じ悩みを抱えずに介護の仕事を続けられることがあります。介護職の転職ガイドで、施設選びの視点を確認しておきましょう。

他業種へ転職する

介護の経験は、医療事務や福祉用具関連、行政の福祉職など、関連する仕事でも評価されます。未経験からの転職を考えている場合も、これまでの経験を棚卸ししてから求人を探すと、応募書類で強みを伝えやすくなります。

よくある質問

介護職はなぜ「きつい」と言われるのですか

身体介助による腰痛などの身体的負担、夜勤を含む不規則な勤務、人手不足による業務量の多さが主な要因です。ただし事業所によって配置人数や用具の活用状況に差があり、負担の感じ方は職場ごとに大きく異なります。

介護職は本当に離職率が高いのですか

令和6年度介護労働実態調査によると、介護職員の離職率は12.8%で2年連続の低下です。全産業平均と比べても突出して高いわけではなく、イメージほど離職率が高い業界ではなくなってきています。

辞めたい気持ちを上司に伝えるべきですか

すぐに退職を切り出す前に、辞めたい理由が職場内の工夫で改善できるものか、相談してみる価値はあります。ただしハラスメントなど深刻な問題がある場合は、無理に職場内で解決しようとせず、労働局の窓口など外部の相談先も検討してください。

まとめ|まず理由を整理してから動く

介護職を辞めたい理由の多くは、人間関係・身体的負担・給与のいずれかに集約されます。理由によって取るべき対処法は異なり、必ずしも「辞める」だけが解決策ではありません。

今日からできる行動は次の3つです。

  1. 辞めたい理由を紙に書き出し、原因別の対処法を試したか確認する
  2. チェックリストで、辞めるかとどまるかを客観的に判断する
  3. 辞めると決めたら、退職の伝え方と引き継ぎの準備を早めに始める

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