ケアマネの処遇改善、25万名の署名で賃上げは実現するか?

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!

ご感想をお待ちしております。

そんな連載41回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

日本介護支援専門員協会と日本相談支援専門員協会は25日、厚生労働省に共同で要望書を提出した。【Joint編集部】

ケアマネジャーと相談支援専門員の賃上げの実現を強く求めた。5月から両協会が実施してきた署名活動で、処遇改善を求める25万2547筆(9月24日時点)が集まったこともあわせて報告した。

両協会は要望書で、介護職員・障害福祉職員の賃上げを進める処遇改善加算のような重要な施策が、居宅介護支援や地域包括支援センター、計画相談支援事業所などに無いことに異を唱え、「人材確保もままならない状況」と問題を提起した。

そのうえで、「介護支援専門員・相談支援専門員に対し、人材確保や職場環境改善のための処遇改善にかかる給付が行われるよう要望する」と訴えた。

厚労省側は黒田秀郎老健局長、野村知司障害保健福祉部長らが対応し、両協会の要望に耳を傾けた。

(引用介護joint)

ケアマネ協会と相談支援専門員協会がタッグを組んで署名の提出

今回のニュースは厚労省にケアマネ協会と、障害分野でケアマネのような働き方をしている相談支援専門員のダブルタッグで給与の引き上げに関する要望書が出てきたっていう話みたいですね。

では実際、どんな話かっていう所と今後どうなるかっていう所を考えていきましょう。

どんなお願いが書いてある要望書なのか?

しっかりとケアマネ協会のホームページにもどんな文章で提出したかがありましたので、紐解いていきましょう。

介護保険制度や障害福祉サービスにおいては、介護職員等処遇改善加算、障害福祉人材確保・職場改善等事業において処遇改善のための給付が行われており、介護・障害福祉の現場における人材確保や賃上げのための財源として、非常に重要な仕組みとなっています。

しかしながら、介護保険制度・障害福祉サービスを利用しながらも地域で安心した生活が送れるよう、ケアマネジメントにより相談支援、関係機関の連携調整等を行う居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、および障害児者の計画相談支援事業所等は、これら処遇改善の給付対象となっておらず人材確保もままならない実態となっています。

したがって、介護保険サービスや障害福祉サービス利用において、欠かすことができない居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、および障害児者の計画相談支援事業所等の介護支援専門員・相談支援専門員に対し、人材確保や職場環境改善のための処遇改善に係る給付が行われるよう要望いたします。

(引用ケアマネ協会HPhttps://www.jcma.or.jp/wp-content/uploads/250925_yobosyosyukou.pdf)

つまり、ざっくり言うと、介護と障害の現場職員に関しては処遇改善加算で給料が上がってるけど、ケアマネとか包括みたいな相談色の給付対象になっていないから人手不足で困ってるよ?

だから相談職にも処遇改善くださいっていう要望書ですね。

要望書で具体案はない

単純に、とりあえず処遇改善加算をくださいっていう要望書であるだけで、ざっくりといくら下さいとかはない状態ですね。

まあいきなり介護職員と同じくらい予算を付けてくださいと言っても厚労省は何いってんのっていう話をするでしょうから、とりあえず処遇改善というシステムを創設してくださいませんか?

あるいは今の処遇改善のシステムに相談職も入れてくれませんかね?

みたいな形ですね。

【公式】ケアマネ介護福祉士的には、どちらが正解かはわからないなっていう印象ではありますが、正解なのか不正解なのかは実際に処遇改善のシステムが出来て、金額が決まって、その結果ケアマネだったり障がいの相談職業界がどうなったかが答えになるでしょう。

ケアマネの人材不足は本当

処遇改善が創設されて給料が上がったにして、ケアマネの人材不足すべてが改善されるかといわれればどうだろうという所はありますが、人材不足自体が深刻ではあるのが本当です。

特に居宅のケアマネに関しては、全国平均で年間求職者が0.5人という発表が出ています。

つまり、居宅ケアマネの事務所が2つあったにして、年間の働きたいです的な問い合わせが1件しかないという事。

事業所単位で言えば、2年に一回しか問い合わせがないという話ですね。

この統計は問合的な所の話なので、実際に面接までこぎつけるのはさらに減る。

つまり、3年に一度程度しか面接者が来ないくらい働きたいと思っている人が居ないっていう所ですね。

施設ケアマネに関しては別物

居宅ケアマネに関してはとんでもない人材不足があるという所ではありますが、施設ケアマネは居宅ケアマネに比べてまだ状況は予断を許さないというところまでは行っていません。

施設ケアマネに関しては、現場と兼務することにより処遇改善加算をもらうことも可能。

また、施設ケアマネが居るという事は入所施設があるため介護職員も多くいます。

ケアマネの7割は現場職から合格者、従事者が出ていますので、現場職からケアマネが誕生する。

そのままケアマネ職に従事してもらうことも可能になります。

また、給与面での低下に関しても、施設職員であればポジションを作ったりとかボーナス等の部分で補うことも可能な状態。

施設ケアマネはわざわざ求人を書けなくとも定期的に施設内で誕生するため基本的に求人で苦労することは少ないでしょう。

ケアマネの求人に苦労している施設に関しては、元をたどれば基本的に介護職員が定着しないため定期的なケアマネの誕生がないっていうだけですので、ケアマネの求人を出している=介護職員が少ないという可能性が高いでしょう。

給料だけが上がっても居宅ケアマネの増加につながるかは未知数

もちろん、給料がどのくらい処遇改善によって上がるかにもよります。

ただ、現時点で介護職員と同等の処遇改善率が割り振られるかといえば、おそらくそれは無いでしょう。

施設ケアマネに関しては現場と兼務して給与を確保するとして、居宅ケアマネに関しては処遇改善が創設されたにしても、創設当初は微々たる筋学になることが予測されます。

給与がほんの少し上がっただけで居宅のケアマネの人数が爆発的に増えるかどうかは疑問の部分ではあります。

もちろん、処遇改善はシステムが創設されれば徐々に進んでいくとは思いますが、現時点でケアマネの人材不足は深刻です。

今年度は、ケアマネを含む介護業界のイメージアップキャンペーンを厚労省が打ち出しておりますが、その辺のイメージも大事なのではと【公式】ケアマネ介護福祉士個人的には思ってしまいます。

居宅ケアマネの平均年齢は56歳を超えている

現時点で全ケアマネの平均は54歳を超えています。

これは比較的若い、現場と兼務がほぼ当然だろうっていう感じの施設ケアマネが含まれている数字になりますので、どう頑張っても居宅ケアマネの平均年齢はそれよりも高く、おそらくではありますが、56歳~60歳位が平均年齢となっているでしょう。

つまり、定年直前あるいは定年再雇用となっている状態で働いているのが居宅ケアマネの実情。

給与が月々3000円上がって喜ぶような年代ではありませんし、仮に3万円上がったにしても、どこまで働けるかといわれれば…。

という年代です。

ケアマネが介護保険サービスを利用しているなんて言う事もたまに聞きますし、配偶者さんがいらっしゃる方に関しては、配偶者が要介護状態となる。

場合によっては介護離職するなんて言う話を聞いたりします。

給料を上げても、若い世代が働きたいと思うような環境を作らない限りケアマネが減っていってしまうのは間違いありません。

そもそも高給取りのイメージはある

そんなイメージ戦略が重要という所ではありますが、現時点でケアマネが薄給であることというのはあまり世間には浸透していません。

実際に現場職である程度のポジションを獲得した介護職員や、もともと時給の高い看護職員等から見るとケアマネは薄給に見えますがそれも処遇改善の金額が大きいため。

現場職で処遇改善の仕組みをイマイチ理解していない人や、介護医療業界に縁がない人はケアマネ=給料が高いというイメージです。

現場介護職員が薄給であるというイメージですが、ある程度の経験と資格を持てば結構な金額をもらうという事が世間一般には伝わっていないのとまるで逆の現象が起きています。

では、なぜ給料が高いイメージなのにもかかわらず目指す人が少ないのか?

それは大変だからっていう話ですね。

ケアマネの大変というイメージは現役ケアマネが作った幻想

ケアマネが大変だというイメージが強く、介護業界やそれ以外の職種の方でもそういった話をされることが多い。

ただ、【公式】ケアマネ介護福祉士はそう思いません。

ケアマネが大変なイメージとして書類に追われる、利用者さん、家族さんからの無茶なお願いやハラスメント、医療、介護業種との連携でずっと電話が鳴りっぱなし。

こんなところを皆さんは思うようです。

ただ、これは今まで働いていて、昔ながらの働き方をしているケアマネさんを見るとそう思うのでしょう。

実際、年々ケアマネが担当する受け持ち人数の上限は増えてきており、以前に比べて負荷がかかっているのは事実ですが、件数が増える前からこのイメージはずっとついて回っていたでしょう。

【公式】ケアマネ介護福祉士も実際働くまではそう思っていました。

ただ、働き始めて気づいたことは、世間一般が思うケアマネの大変なことっていうのは多くが幻想だったという事です。

例えば状態が変わるたびにケアプランを作ったり、担当者会議をするわけですが、今のご時世であればケアプランのテンプレートなんかはネットを徘徊していればいくらでも見つかります。

ネットのケアプランから参考にして作ることもできますし、AIにある程度の情報を与えればその人に合ったプランを自動生成することも可能です。

つまり、しっかりとアセスメントさえ終わっていればプランの生成に時間を取られることはないでしょう。

昔ながらのケアマネは、文面や文脈等に頭を悩ませたりすることが多いですが、AIを使ってすべてを一気に簡素化することが可能です。

再度お伝えしますが、しっかりとしたアセスメントができていればの大前提ではありますが…。

また、医療、他事業所との連携という部分で全事業所から情報をもらうor会議に参加してもらう必要性がありますが、斯の日程調整だってAIやコミニケーションツールを使えばすぐですので、電話での不要なやり取りは省略できます。

電話というツールは一見便利に見えますが相手の時間をこちらのタイミングで奪うことになります。

忙しいケアマネやスマホを各ケアマネに支給していない事業所は電話が鳴りやまないなんてことはあるでしょうが、こと【公式】ケアマネ介護福祉士に関しては、それほど電話は鳴りません。

mailや地域で流行っているコミニケーションツール等の返信は結構あったりしますが、自分のタイミングで返信をしますので、時間を強制的に奪われたりすることはありません。

とてもじゃありませんが、電話が鳴りっぱなしなんてこともありませんしデイサービスに緊急性の用事でもないのに送迎時間に電話するなんてことも正直なところほとんどありません。

【公式】ケアマネ介護福祉士的に署名活動は今に始まったことではない

そもそも、ケアマネの署名活動は今回が初めてではなく、2020年ごろから毎年のように行われています。

今回の2025年の署名運動によってこれが実現するかといえばわからないところではありますね。

もし、次回の改正においてケアマネの処遇改善が創設されたとしてもこの署名活動だけが影響したのではなく他の要因が影響した部分も大きいでしょう。

一方で実現したら代わりに大きな代償を払う可能性が…

ここで更に問題なのが、ケアマネの処遇改善と引き換えに現時点でケアマネの報酬は全額国が負担するいわゆるゼロ円です。

他の介護サービスが1割~3割負担であることと、毎年のようにケアマネジメント費の利用者さん負担を強いるかどうかを常に話し合っています。

これを引き換えにケアマネの処遇改善を強いる可能性は高そうですね。

ちなみに、今までの介護保険の歴史の中でケアマネジメント費の自己負担は一度もありません。

もしもケアマネジメント費に自己負担を導入された場合、今までケアマネはお金を触ってきたことがありませんが、常に釣銭を用意しながら歩いたり直接利用者さんからお金を徴収しなければならなくなるでしょう。

ケアマネにとって、今までお金をもらってこなかった職種であるのにもかかわらず、お金を徴収する。

利用者さんに関しても、直接お金を払うという事は、より一層の要望が強くなる可能性があるでしょう。

ハラスメントにつながりかねない中、1割といえどその対価に納得してもらえるようなコミニケーションツールや働きぶりを要求されることになるでしょう。

文章にすると簡単に聞こえますが、この変化はとんでもない大きな変化。

ケアマネの働き方や新たな能力を必要とされる可能性があるものになります。

場合によってはより一層ケアマネの不足を招きかねない大きな改革となる可能性があることだけはお伝えしなければならないでしょう。

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

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