苦痛や不安を和らげる ターミナルケア(終末期)の仕事とは

投稿日:2015-02-09

苦痛や不安を和らげる ターミナルケア(終末期)の仕事とは

日本だけでなく、世界的にも平均寿命が長くなったことや、医療技術が発達したことにより、高齢者やガン末期患者などに対する治療方法が多様化してきています。ここでは、近年注目されているターミナルケアについて紹介します。

ターミナルケアとは

ターミナルケアとは、日本語で終末期の医療を意味します。患者の希望を尊重し、無理な延命治療などは行わずにQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を優先するという考え方の元にケアを施します。これを取り入れているのは、末期ガン患者が入所しているホスピスや、老衰によって自立生活が難しくなってしまった高齢者を対象とする医療関係施設などです。

まだ、世界的にも新しい概念のため、医療方針として定着しているわけではありません。しかし、今後は積極的治療とは対照的な治療方針として認知されていくことが予想されます。

ターミナルケアの定義


ターミナルケアの対象とする終末期患者については、WHOをはじめとした世界的な機関および日本の法律や医学学会でも明確な定義付けはされていません。このため、実際に取り入れている施設や団体、個人によって見解は異なります。

ただし、終末期について、「どのような治療を持ってしても現状の医療技術では、治すことが難しく死を回避することができない状態」であるという見識は共通のものです。

ターミナルケアでは、一般的な入院治療とは異なり、完治や症状の根本改善を目的とした外科的手法や、患者のQOLを下げるような治療は行いません。ホスピスなどの緩和ケア施設が代表ですが、その他にも在宅医や一部病院施設でもこういった治療方針をとる動きがあります。

ターミナルケアの仕事内容

ターミナルケアを取り入れた施設での仕事内容は、根治治療方針をとっている場合とは大きく異なります。基本的には、内科医による投薬で苦痛を和らげ、ストレスがないようにケアをしていくのが主な仕事です。病気の経過については定期検査で進行具合などを測定しますが、あくまでケアの方針や余命判断のためという意図で行うことがほとんどです。

また、患者やその家族・親族とのコミュニケーションも大切な仕事です。残りの時間についての告知、延命措置を積極的には行わないことなどを親族の方へ伝える際には、できるだけ辛い思いをさせないよう配慮しなければなりません。

場合によっては、セカンド・サードオピニオンを勧めることもあり、患者や家族だけでなく医師への負担も大きくならないよう配慮が必要になります。

ターミナルケアを取り入れた施設

ターミナルケアを行っている施設として、病院内の緩和ケア病床、末期ガン患者の受け入れ先となる慢性療養病床などが挙げられます。また、ターミナルケアを専門的に扱う施設のホスピスです。その他、老人施設の中にも終末期ケアを行う介護療養施設や、特別養護老人ホームなどがあります。

余命が分かっている患者に対してのターミナルケアは、双方に合意がなければ行うことができません。仕事として携わる方は、医療に対する技術や知識だけでなく、患者の精神的なケアをすることも必要な能力となるでしょう。