介護のコミュニケーションで大切なこととは

投稿日:2015-04-08

介護のコミュニケーションで大切なこととは

人間にとってコミュニケーションは大切です。「おはよう」や「ありがとう」がなければ、人々の生活は殺伐としたものになるでしょう。ここでは介護を必要とする方とよい関係を築くためには、どのようなコミュニケーションが必要なのかを紹介します。

介護現場でコミュニケーションが必要になるタイミングは?

もし一生治らない障害を負ったとしたら落胆は大きなものです。今まで自分でできていた簡単なことが人の手を借りなくてはできない現実に、「なぜ自分だけがこんな思いをするのか」と、悔しさとやるせなさを強く感じることでしょう。

病気や怪我の発症直後、末期症状など、不安を伴うときにこそ、緊張を和らげ、安心を持たせるコミュニケーションが必要になります。

介護のコミュニケーションで必要なこと

一口に介護と言っても、高齢者、若年者など様々な方が対象となります。そのため相手の状況・状態に応じてコミュニケーション手段を変える必要がありますので、いくつかの例を紹介します。

・認知症の高齢者とのコミュニケーションの基本

認知症は、物の名前を覚える記銘力、記憶力、年月や時間、場所などの見当識、思考力、判断力などが低下します。そのため、自分がなぜここにいるのか、目の前の人が誰なのかが分からない状態になり、不安や緊張を感じながら生活することになります。

症状や進行は人によって異なりますが、共通して言えることは「否定をしない」「声を荒げない」ことです。例え話や行動が実際と異なったとしても、今の状況に寄りそうことで安心を与えるのです。

・不安や焦りを訴える人とのコミュニケーション

「家族の迎えはまだ?」「いつ帰れるの?」「本当に病気が治るのか?」などの言葉は、不安や焦りの表れです。言葉だけではなく、表情や目線で不安をあらわす人もいます。そのような時は「そのうち来ますよ」「そのうち帰れますよ」などの一過性の言葉ではなく、不安や焦りを受け止める共感的な対応を心がけましょう。

介護のコミュニケーションで必要なこと

言葉だけをコミュニケーション手段と思っている人が多いと思いますが、実は言葉以外のコミュニケーションから発せられる情報は、6~7割にも及ぶと言われています。

例えば、「嬉しい」と言いながら表情が曇っている場合は心から喜んでいないことが多いですし、腕を組んで話を聞いているときは、否定的態度が現れています。このように言葉と裏腹の態度や思わず出てしまう行動に目を向けて、本心を理解する必要があります。

介護のコミュニケーションは一方的ではない

相手に話しかけることをコミュニケーションと思っている人が多いようですが、それでは介護者の一方的なコミュニケーションにしかなりません。介護では「話し上手よりも聞き上手であれ」と言われるくらい、相手の話に耳を傾けることを大切にしています。

実は高齢者や障害のある方は、日ごろの悩み、辛さ、不安などを誰かに聞いてもらいたいことの方が多いのです。よき理解者になるために、話をするだけではなく、うなずき、相づちを打ち、しっかりと耳を傾けましょう。

対等の関係であることが大切

介護福祉施設等において、利用者は介護を受けて日常生活を送る、介護職員は介護をすることで職業として自分の生活の糧とする。本来介護福祉施設の利用者と介護職員は、このように対等な関係でなくてはなりません。

しかし介護者と介護を受ける人は、上下関係が生じやすくなります。介護福祉施設における虐待の原因は、まさにそれが顕著に出た結果と言えます。家庭内においては、介護に一生懸命な人ほど、徒労感から虐待に走るケースが多くみられます。

好きで介護を受ける人はいませんし、それが当然の権利とは誰も思っていません。それでも介護を受けなくてはならない方の気持ちに寄り添うことが、対等な関係を作る方法だと思います。

医療の進歩によって平均寿命は飛躍的に伸びましたが、その分、介護を必要とする人も増えています。介護をしている人が、介護をされる側になる日が来ないとは限りません。介護は機械的に食事や排せつ、入浴の手助けをすることではなく、その人が必要とする生活の質を高めるための手助けをすることです。それを念頭に置いて、介護にあたって欲しいと思います。