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その5「会社に迷惑をかけず円満退職」 |
西山喜代司
採用内定通知、おめでとうございます。 |
採用内定通知が届いたなら、まず担当者に電話を入れ、今後の予定や同封の書面ではわからない点を確認してください。次に、採用の条件を書面で確認してください。入社後に面接時での条件と違う、というトラブルを避けるためにも必ず書面でもらってください。そして応援してくれた家族に連絡を入れましょう。
さて、円満退職に向けての「退職交渉」です。転職活動のなかで、面接と並ぶ重要な活動です。人材不足(人で不足ではなく)が叫ばれる今日、会社にとって必要な人には強引な引き留めが行われることもあります。今の会社の人や取引会社の方と仕事上いつまた関係を持つかわかりません。円満退職に臨みましょう。
円満退職までの順序
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1.就業規則を確認する。
法律上は退職の2週間前に意思表示をすればいいことになっていますが、会社によっては退職届の期限を就業規則で定めており、これに従って行動します。
2.直属の上司に退職の意思表示をする。
同僚や先輩、部長、社長など周囲には内密にすることが大事です。上司が他の人から部下の人事に関する情報を得ることは人事管理能力を問われることになります。感情的になって退職を妨害されることのないよう、まず直属の上司に話します。そのタイミングですが、朝夕の忙しい時間帯ではなく、できれば昼休みに「課長、ちょっとご相談したいことが」といって食事をしながら切り出すのがいいのではないでしょうか。テレビで見かける「問答無用」とばかりに「退職願(退職届)」を上司の机にたたきつけるのは、たとえ嫌な上司といえども、それはドラマの世界です。
退職理由ですが、異業種からの介護・福祉への転職なら、ほぼ納得してもらえるでしょう。同業種間の転職は退職理由を「キャリアアップ」「身体障害関係の仕事」のように、やりたい仕事を前向きに話します。絶対に言ってはいけないことは、今の会社(施設)に対する不平不満です、たとえば「給料が安い」「福利厚生が不十分」など会社の施策批判、同僚や上司などへの不平・不満はご法度です。退職願はいったん「預かり」という形になります。というのは上司の一存で受理(承認)することはできないためです。プロジェクトの進捗など退職時期として問題ないか、後任者選びなどを人事部や部長、社長が話し合った後、決まります。直属の上司から正式な発表があるまでは周囲に退職することを話すのは控えましょう。
昇進や昇給などの条件を出して、上司や会社から強い引き留めがあっても、今までに得た教育や訓練に感謝しながら、退職の決意に代わりがないことを告げます。退職の自由は法的に認められた権利で、上司がどうしても退職を受け入れない場合は、上長や人事部に相談し、それでも認められない場合は労働基準監督署に相談すればよいでしょう。
3.転職先への出社日の報告。
退職願が受理されると今の仕事の引継ぎなどをスケジュールし退職日が決められます。決まったら転職先にすぐさま連絡しましょう。出社日が数ヶ月先になる場合は定期的に転職先に連絡を入れることを怠らないようにします。一般には採用内定通知日から2ヶ月以内に出社します。これ以上長いと採用内定を取り消される場合もあります。また、転職先への連絡に今の会社の電話を使ってはいけないことは言うまでもありません。
4.引継ぎは十分に行う。
退職前は通常の業務と引き継ぎ業務の両方をこなさなければならず多忙です。引継ぎ事項を書き出し、退職日から逆算してスケジュールを立てます。引継ぎの業務内容は文書化してパソコンに保存しておくことがベストです。そうすると後任者がいつでもこのファイルを開いて業務内容を確認することができます。退職日から3日前に引継ぎが終わるようにプランするのがポイントです。3日あれば緊急の仕事も消化できます。引継ぎのなかに後任者との取引先へのあいさつ回りを入れることも忘れないようにしてください。後任者一人で挨拶に回るのは会社の教育体制を疑われ、取引先との信頼関係が壊れるかもしれません。最後まで今の会社に対して誠意を尽くすよう努力しましょう。挨拶状も忘れずに出しましょう、書状でも電子メールでもどちらでもかまいません。
5.会社に返却するもの・受け取るもの。
健康保険被保険者証、身分証明書、社員章、制服、名刺、通勤に使っていた定期券を返却する。会社の経費で購入したり、会社から支給された書籍や文房具、パソコン(データも含めて)なども返却します。取引先や顧客の名刺も返却します。
退職日に必ず受け取るものは「雇用保険被保険者証」「年金手帳」「源泉徴収票」の3つです。転職先がまだ決まっていない人は失業給付の受給手続きでハローワークに提出する「離職票」も必要です。ただし、源泉徴収票や離職票は、手続き上、退職当日にはもらえないため、自宅への郵送を依頼します。「雇用保険被保険者証」「年金手帳」は転職先に提出します。
「人生は往復切符を発行していません。一度出立したら、再び帰ってきません―『魅せられたる魂』―」(ロマン・ロラン、フランスの小説家)
素敵な終着駅がきっと待っていることでしょう。

